moumoonの歌声と音色は
聴いていると温かくて優しい気持ちになれます。
昨年行われた日比谷音楽堂でのＤＶＤも付いていて
moumoonファンとしてたまらない１枚になりました！

AVEX所属ながら、音楽素養や資質・技量を活かし独自の路線を築いているmoumoon。
ニューシングル「Sunshine Girl」が「ANESSA」TVCMソングに大抜擢され注目を浴びています。
今作はシングル「青い月とアンビバレンスな愛」を含む全6曲のミニアルバム。

前作が14曲という曲数多すぎのアルバムだっただけに6曲はやや物足りなさを感じてしまいそうですが、
今作が"厳選された"6曲であることは楽曲を聴けばすぐに理解出来るでしょう。

全遍で表現されるYUKAの艶っぽく幻想的なジャケット写真のような"女性的な靭やかさと力強さ"。
人を想う純粋な感情・深遠な愛情。作風は前作と同じく洋楽ポップス・ロックを軸にしたものですが、
歌唱や演奏・編曲・歌詞・曲調の幅などにおいて飛躍的に成長・洗練を見せています。

もともと音楽性の幅広い何でもできるグループだとは思っていましたが、
今作ではその資質をより高度に作品として纏め上げることに成功していると言えるでしょう。
ナチュラルに幸福感を滲ませる柔らかなM1「リフレイン」M3「天国に一番遠い場所」、
喪失感や壮大な儚さを表現するM2「Brilliant days」M6「青い月とアンビバレンスな愛」、
ラップの要素もあるアッパーチューンM5「MUSIC」。
特に泣きを誘う大作バラードであるM6 「青い月とアンビバレンスな愛」はmoumoonを代表できる名曲。

YUKAの歌唱についてもより繊細さ・透明感・キュートさ・変幻自在さといった様々な要素が向上しています。
英語の発音の上手さと、日本語詞にダサさを感じさせない日本語の発音。
M5におけるキュートな歌唱、M6における儚げな歌唱は今作のハイライトとも言えるでしょう。

そして何より今作で注目したいのが"歌詞"ですね。1stアルバムではそこまで感じなかったのですが、
YUKAさんの書く詞はとても詩的で文学的でなかなかに凄いです。

「Sunshine Girl」で注目を浴びている今、moumoonは勝負の年です。頑張ってもらいたいっす。

たぶん彼らの曲を彼らの曲として認識できたのは、
出雲殿のTVCM曲であるM3「天国に一番遠い場所」だったかと思います。
というのも以前からお名前だけは知っていたのですが、
なかなかその作風の真髄まで触ることができず。
上記のCM曲がトリガーとなり、この作品から、
彼らの作品にきちんと触れることができました。

基本的にサビに英詞を盛り込んだ洋楽系のバンドポップス主体なのですが、
ときどき、上記したM3「天国に一番遠い場所」とかM2「Brilliant Days」、
そしてすでに評価の高いM6「青い月とアンビバレンスな愛」といった、
スローでアンニュイでメロウな曲が入るのがなんとも心憎い。
だからといって普段、主体とする音楽が決して悪いわけではない。
ですが、その時々に自分にあったキラリ光る曲を拾い上げるのも、
音楽のひとつの楽しみ方。

「美しいものだけの世界、
　夢見ちゃいけないのかい...？」

世界は決して、美しい、綺麗ばかりじゃない。
だけどなるほど、夢見るのは自由じゃないか、と
思わずうならせられるワンフレーズ。

いまさらですけど、エイベックスにこんな良ユニットが在籍していたとは。
と、目からうろこが落ちました。
知っていた人も知らなかった人もぜひどうぞ。良い作品です。