現代思想 2017年9月号 特集=いまなぜ地政学か ―新しい世界地図の描き方―
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地政学を知れば、世界の見方が変わる。
地理学と政治学の知見を融合する「地政学」は、現在の国際情勢――
「トランプ現象」、Brexit、ISとテロが起こるの社会のゆくえ、北朝鮮問題……
これらをクリアに見るための大きなヒントを与えてくれる。
この世界の過去・現在・未来を接続する、これからの地政学とは何か。
政治・経済・歴史・思想……、
さまざまな専門家とともに、巨視的にまた微視的に議論する。
連載●瓦礫(デブリ)の未来●第二回
大洪水 / 磯崎新
連載●家族・性・市場●第一三七回
『障害/社会』準備の終わりから・3 / 立岩真也
特集*いまなぜ地政学か――新しい世界地図の描き方
【討議】
「非戦」のための地政学 / 伊勢崎賢治+西谷修
【地政学の生成と展開】
地政学の相貌についての覚書 / 山﨑孝史
地政学的言説のバックラッシュ――「閉じた世界」における不安と欲望の表出 / 土佐弘之
【地図を描く】
ジオポリティクスが媒介したヘゲモニーの推移――「アメリカの世紀」のあらわれ / 中山智香子
プーチン政治と地政学 / 下斗米伸夫
「南」の地政学――アジア主義からアフラシアの交歓に向かって / 峯陽一
「一帯一路」構想の地政学的意義の検討 / 羽根次郎
シリア紛争の(批判的)地政学――「未完の物語」としての「シリア分割」 / 末近浩太
【インタビュー】
地政経済学の射程――グローバリゼーションの終焉以後を読み解く / 中野剛志
【国境をとらえる眼】
ボーダースタディーズの生成と展開――批判地政学との接点 / 川久保文紀
先端医療、生命倫理、メディカルツーリズム / 粥川準二
【歴史を辿って】
大陸国家日本への展望と地政学的知見の限界性――「生存圏」・「自給自足」論を中心に / 纐纈厚
日本における訳語「地政学」の定着過程に関する試論 / 柴田陽一
【地理学/都市論から問いかける】
なぜ空間の生産がいまだに問題なのか / 平田周
地図学的理性を超える地球の潜勢力――地政学を根源的に問題化するために / 北川眞也
【その土地に生きる】
主権の海と移り住む島の人びと / 古屋哲
水満ちる人造湖の辺から――相模ダム開発の経験と戦後啓蒙 / 猪瀬浩平
ハワイ立州の周辺にみるポリティクス / 原山浩介
【ミクロポリティクスに向けて】
移民の生きる毎日は「開拓」か「侵略」か――在ブラジル日本人が「二分制限法」にみた「恐日病」の世界と日本帝国の近代 / 中田英樹
内戦、国家、日本語――シリアの日本語学習者の語りから / 市嶋典子
研究手帖
運と道徳――倫理学のありようをめぐって / 古田徹也