声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~ (5) (ストーリーな女たち)
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最下層遊郭に売られた少女が見る、この世の地獄!!
明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育った活発な少女・チヌ。
母はなく、幼いころから父親と、美しい姉・サヨリとともに暮らしていた。
ある時、父が死に、姉妹は人買いの競りにかけられる。
サヨリは高値で女衒に売られ、チヌは下層遊郭の「須賀屋」へ売られた。
生きていればいつか姉に会えると希望を持つチヌだったが、初めて客を取らされた夜、絶望し、自殺しようとしたところを大地主の青年・公三郎に助けられる。
公三郎は過去に身分違いの恋の末、駆け落ちし、その結果恋人を死なせた過去を持っていた。
そのトラウマから、何事にも執着しない生き方をする彼だったが、チヌの天真爛漫な性格に惹かれていく。
その後、チヌの見世はつぶれ、大店「東陽楼」で働くことになる。
東陽楼の女たちは、チヌが公三郎に気に入られていることに嫉妬し、彼女を追い出そうと目論むが、仲間を思うチヌの心意気や仕事への気概を認め、受け入れるのだった。