TWO-MIX５枚目のオリジナルアルバムは新世紀エンタテインメントがコンセプト。
旧所属事務所の一方的な方針によって短期間のうちに製作され、作品自体の構造的な欠陥もまた多い作品である。
新曲が一曲しかない、一枚のディスクに同じ楽曲がアレンジを変えて2曲収録されていたり
過去の楽曲からのリアレンジで繋いで、何とか10曲分を確保した感じで非常に出来が悪い。
終盤にバラードが何曲も続くと、心が癒されるどころか、逆に聴いていて疲れてくる。
唯一、新曲の「WINTER LOVE EXPRESS」だけがマトモに出来ているのが不幸中の幸いだったのだろう。
この楽曲は今聴いてもなかなか不思議な楽曲でもある。
蒸気機関車が煙を上げながら苦しそうに客車を引っ張ると言うような感覚ではなく
最新式の振り子式気動車が、スピードを落とさずに勢い良くカーブを通過するような印象。
EXPRESS=特急列車の表現方法がいかにもTWO-MIXらしい表現の仕方と思わせるような秀逸な出来。
今までのTWO-MIXとは違う疾走感を存分に堪能できた。
この作品に星3つの評価を与えられる背景には、この楽曲の完成度によるところが大きい。
後にこの曲が、TWO-MIXファンの間で5本の指に入る名曲と評価されたのは言うまでもない。
他には、ライヴのバンド演奏をイメージして作られた｢TIME DISTORTION DX｣の完成度が高い程度か。

この作品でTWO-MIXはなかなかハイレベルな楽曲を作ってくれたと思う。
しかし、作品が悪ければ、アーティストも悪く評価される。短期に集中して楽曲を作り上げることは
確かに大変なことかもしれないが、何とかできなかったものだろうかと思う。

キレのある、スピード感溢れる楽曲が多い彼らですが、このアルバムはしっとりと聴かせる曲が多いアルバムです。
前半(1～5)は、彼ららしいノリの良い曲ですが(４曲目のLAST IMPRESSIONはバラードですが)、後半(6～10)は聴かせる曲となっています。

後半の楽曲は、｢BPM132｣からのセルフカバーがほとんどで、聴いたことのある曲ばかりです。
しかし、アレンジも大幅に変更されていて、新鮮みがあります。

10曲目は、彼らのアルバムを持っている人ならば知っているであろう、｢PURE
｣シリーズです。
彼らのハイテンポな楽曲が、ピアノがメインのバラードにアレンジされているシリーズで、本アルバムには、人気の高いシングル｢WHITE REFLECTION｣が収録されています。
｢それってどうなの？｣と思うかもしれませんが、バラードでもかなり良いです。

全体を通して言えば、アルバム用の新しい楽曲がもっとあっても良いかなと思います。
本アルバムは1曲だけですから…。