強迫観念・対人恐怖の人は"必読"
★★★★★
この本では,神経質者の考え方のクセ,神経症(強迫観念・対人恐怖等)の発症原理・条件,そしてもっとも重要な神経質から抜け出す方法を森田先生と患者の対話形式で書いている.
神経質者が共通して持つ考え方として「〜しなければならない」というのがある.
(例えば「恥ずかしがってはいけない」と考えるのが対人恐怖)
この考えは「とらわれ」といい,神経質者はこの「とらわれ」にとらわれて生活を送る.森田療法の最大のねらいはこの「とらわれ」から離れることで,「とらわれ」から離れれば神経質の症状は完治する.
もうひとつ大切なのが「現在になる」ことで,これは事実をありのままに受け取ることである.これにより森田療法の目的である「自然に服従し境遇に従順な」生活態度を体得できる.
ちなみに,強迫観念を持っている私の,この本を読み終わった直後の感想はこんな感じでした
「何だろう,この解放感は・・・まるで天にも昇るような気分だ.以前うつ症状が治りかけたときにも何度かこのような気持ちになったことがあるが,今回は以前のものとは比べ物にならないほど大きい.この本を読んだ感想を一言で表すとすれば「あ〜,そういうことだったんだ(笑)」という感じか.自分が今まで自然に起こるべくして起きた"普通の"感情を病的に捉え,それを否定しようとすることで苦しんでいることにようやく気づけた.
〜中略〜
この本を強迫観念,対人恐怖に苦しむすべての人に知ってもらいたい.まだ読み始めてから二週間ほどしかたっていないというのに,この解放感はたまらない」
もちろん,まだに強迫観念は抜けきっていないが,今はその対処法を知っているのでツラい時があっても見通しは明るい.間違いなく人生を変えた一冊になるだろう.