真相は期待を裏切る内容だったので最後まで楽しめた
★★★★☆
通信社に勤める記者の鶴田吉郎と、コンビニでバイトをしているフリータの芳賀桐江の二人の視点で物語が展開されるミステリ。
結構分かりやすい伏線だなと思っていたが、真相は期待を裏切る内容だったので最後まで楽しめた。TVや本屋など苦手なものが多く普通に生活するのにもちょっと苦労している桐江の感情が詳細に描かれていて思わず感情移入してしまったが、最後は桐江の父親の芳賀の苦しみを想像するのがつらかった。結局、鶴吉は記事をどのようにまとめたのか気になったが、鶴吉を主人公にした続編がありそうな気がするので、今後の作品にも期待したい。
やるせなさと切なさ
★★★★☆
ダブルの主人公目線で話が進んでいきます。
自分的には、新聞記者の鶴田側にはあまり感情移入できなかったんですが、ストーリー的には好きでした。
伏線があからさますぎるきらいもありますが、
それでもうまい具合に読者側の想像を裏切っていってくれます。
ただ、ラストに向かうにつれて、やや強引な進行が目立った気がして残念です。
有名な実在の某事件を思わせる犯行、または犯人というのは良かったんですが、
犯人とその家族の絡み方や、主人公の過去の事件、また鶴田の事件への絡み方等、少し大味すぎた気もします。
あれだけ登場させてた暴力団の2人は途中からほぼ放置ですし(笑)。
まあこの辺の感じ方は人それぞれでしょうけど。
桐江の描き方があまりに切なくて、ラストは辛かったです。
著者には愉快な作品を望む
★★☆☆☆
若手の新聞記者とコンビニの女子店員が、交互に日常生活を一人称視点で語る。
第三者的神の視点ではなく、ちょっと軽い平凡人の語り口調で楽しく読める。
しかし、後半は一転して陰惨な事件へと入ってゆく。
事件の真相も不快なだけでなく不自然だし、結末への展開も不自然だ。
著者には、明朗で読後感が心地よい作品を望む。