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ハニー ビター ハニー (集英社文庫)

価格: ¥480
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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まさしく甘くてほろ苦い ★★★★☆
どの話も、ありがちなハッピーエンドの恋愛小説ではない。
もし普通の小説なら「ここで終わり?」と思ってしまうような終わり方をする話もあるが、
きっとそれでいいのだと思う。
だからこそ、最後にポツンとほろ苦い切なさを残せるんだろう。
登場人物のリアルな感情や、どうしようもない想い、涙の出ないもどかしさ。
読み終わったあと、ちょっと胸が苦しくなるこの感じがなんだかとてもたまらない。
一人で、そっと静かに読みたい一冊です。
スイートビタースイートな短編集 ★★★☆☆
『ハニービターハニー』です。
『陽ちゃんは親友の沙耶香の彼氏だ。でもわたしは彼と寝ている。沙耶香のことは大切だけれど、彼に惹かれる自分を止められない―(「友だちの彼」)。ライブでボーカルの男性に一目惚れし、誘われるままホテルへ。初体験。…あたしは本当にこういうことがしたかったの?(「もどれない」)甘やかで、ほろ苦く、胸のちぎれるような切なさをたたえた全9話。人気歌人初の恋愛小説が文庫オリジナルで登場。』

元々歌人である作者がケータイサイトで発表した恋愛短編小説を加筆修正して集めた短編集です。9作収録しています。いずれもあっさり読める短い作品です。
歌人だけあって、描写はさほど厚くありません。その代わり凝集された言葉とその行間に読みどころが集まっている感じです。エンターテインメント的な面白さではなく、どちらかというと純文学寄りの、心理描写メインです。
行間はともかく、小説としての文章表現は、まだまだこれからといったところです。

9作品のうち全てが、20代前半くらいの女性が主人公。元々ケータイサイト作品ということもあって当然ここがメイン読者ターゲットです。
8作品が、大きくくくれば男1女2の三角関係です。さすがにちょっとワンパターン気味とも思いました。また、登場する男のキャラクターなどもちょっとテンプレ的であったとも言えます。
巻末解説で島本理生さんが言うように、全作品に何らかのお菓子がキーアイテムみたいな感じで登場します。その使い方が非常に巧みで印象的であり、そういう部分からもハニービターハニーという短編集タイトルは適しているように感じました。
評価は★4から欠点を差し引いて★3。『ハッピーアイスクリーム』で見せてくれた瑞々しい感性を活かして、今後の作品を出してくれることに期待したいです。
どうしようもないから、あまく感じる ★★★★☆
タイトルどおり、あまくて、ほろ苦い短編9作のつめあわせ。

友達のカレシとこっそりつきあっている女の子の「友だちの彼」、
同棲している彼に、他に好きな子ができたと打ち明けられる女の子の「恋じゃなくても」、
同級生に片思い中の大学生の「甘く響く」、
中学時代の片思いの相手との再会から始まる「スリップ」、
ライブで知り合った先輩の友達と一瞬の恋をする女の子の「もどれない」、
カレシのケータイに残る他の女の子とのメールを見てしまった女の子の「こなごな」、
くだらない男だとわかっていながら好きで離れない女の子の「賞味期限」、
自分とはまったく違う頭のいいカレシの元カノに苛立つ女の子の「ねじれの位置」、
別れたカレシからのメールに返信してしまう女の子の「ドライブ日和」。

女の子といったけれど、主人公たちはほとんど20代くらいの女性。
この本に詰められたお話は、ほとんどがハッピーエンドではなくて
むしろどうしようもない恋の日常を切り取ったような、苦味のあるお話が多いです。
でも読んでいて湧き上がってくるのは、「恋ってあまいものなんだ」という想い。
登場する男性の多くは、無邪気にずるくて、
彼らに恋している主人公たちはそのことに傷つけられているのに
そのどうしようもない感じが、あまく感じる、そんなお話でした。
各話には、印象的にスイーツも登場して、そんなお話の印象を形作っています。