釈尊
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浄土真宗の僧侶として深い信仰に生きながら、原始仏教研究の第一人者として学界を牽引し、一人の仏者として仏教国スリランカとの友好の橋渡しに生涯を捧げた前田惠學師。平易な言葉で語りかけるように説かれた本書は、師が生涯向き合い続けた釈尊の教えと生涯を知る格好の入門書であるとともに、その古典的名著である。
第一章 〈如来〉の出現
一、異教徒ウパカとの出会い
二、如来の出現―釈尊に説法を決意せしめたもの―
三、何をさとったのか
四、ベナレスにいたる
五、はじめて法を説く―初転法輪―
六、在家者ヤサの教化
七、伝道の宣言
第二章 如来の入滅
一、最後の雨安居と発病
二、如来の寿命
三、遺誡説法と入滅の予言
四、象王回首―「末期の眼」の問題―
五、『大般涅槃経』の中心的教説
六、チュンダの施食と病気の再発
七、入滅の地クシナーラー
八、最後の弟子スバッダ
九、偉大な最後
一〇、荼毘
第三章 如来所説の法―さとり―
一、毒矢の喩―人間苦に対する実践的態度―
二、「念の傾注」の教え ―『念処経』―
三、教法の体系 ―戒・定・慧・解脱―
四、如来の法統
《補説》阿含の成り立ち
著者略歴
前田惠學
1926年、愛知県名古屋市生まれ。
東京大学文学部卒業ののち、東京大学文学部助手を経て東海学園女子短期大学教授、カナダ国トロント大学客員教授、名城大学教授、愛知学院大学文学部教授を歴任。パーリ仏教文化学会会長や東海印度学仏教学会会長をつとめるほか、仏教国スリランカとの学術交流と親善に尽力。
真宗大谷派速念寺前住職、文学博士、文化功労者。日本印度学仏教学会賞(1959年)、日本学士院恩賜賞(1966年)、仏教伝道文化賞(2005年)受賞。
2010年逝去。
『原始仏教聖典の成立史研究』『仏教要説―インドと中国―』『前田惠學集』一~六巻(いずれも山喜房佛書林)その他論文多数。
(本書は1972年に山喜房佛書林より『釈尊』として刊行されたものを底本に電子書籍化をしたものです。)