若干内容は堅め
★★★★☆
内容としてはまじめな内容です、
が、結構構成が工夫されているので
かったるい感じは受けませんでした。
世界遺産一つとっても様々な裏側があるな、
と感じました。
例えば、登録するにしても、すぐに登録されるものもあれば
そうでないのもあり…等
この本ではそのようなことから、
かなり悲しい現実なども書いてあるのです。
ただ、気になったのは削除された世界遺産は
人間のエゴによって削除の目を見たこと。
人間ってあくまでも欲の塊だと実感しました。
ちょっとした知識を教えてくれるいい本でした。
ブランド的興味でも内容を見てね
★★★★★
ある種ブランドに成り下がった世界遺産の称号だが、旅行客を呼び込むのにはうってつけのもの、しかしそれらの場所にはしっかりとした歴史があり多くの場所には誰もが納得できるチョイス。年々増えていくそれだがそれぞれ個性的で貴重なものばかりなのに以外とそれらを守る予算は少なく多くは近隣や有志の寄付によるところが多い。世界遺産と冠するのならもっと世界的に守っていきたいものだが?ともかく、各所ただ訪れるだけでなく、歴史や詳細を学んでこその世界遺産、ただの色物的な立ち寄りスポットではないのだから落書きなど言語道断。
一気に読める世界遺産というモノの考えの手引き
★★★★☆
何やらの意図をこめたと言えそうな、少々微妙な時期に発刊された本ですね。でも、深刻ぶらずに読みやすく「世界遺産」の考えかたやあゆみが手際よく、テンポよく述べられています。
なかには、個人的な見解も明示された個所もありますが、全体としては立場がありますから、否定的・悲観的な書き方はされていませんし、巧みに避けているものもあります。しかし、本来の主眼は「ユネスコ事務局長は訴える」というサブタイトルが示すように、「今後の課題」と題された後ろ2章なのでしょう。これもグズグズしたところのない端的な記述ですが、現在の世界が抱える複雑多岐な背景をもつ問題に関わります。現ユネスコ事務局の考えかたが示されているととれます。
重箱の隅をつつくと「?」な記述も皆無とは言えませんが、個々には、石見銀山登録に関する話題、極めて端的に述べられたな彦根城の件など、興味をひくものもあります。
面白いのは、「世界遺産」が観光地の御守札・権威づけということで反対意見や疑問が呈されているなか、著者は、世界遺産めぐりのツアーが世界的に盛んになっていることについて、「ユネスコ憲章が謳う「国民間の相互理解を深めることに貢献する」わけで、大いに歓迎したいと思う。」(P242)とし、世界遺産登録に向けてのマスコミを巻き込んだブームの必要性まで説いている(P158)ことでしょう。