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浅草妖刀殺人事件―耳袋秘帖 (だいわ文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 大和書房
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怪しい刀 ★★★☆☆
 根岸鎮衛を主人公とした「耳袋秘帖」シリーズの第3作。順番に読んだ方が良いだろう。
 シリーズが進むに連れ、段々と面白くなっているように思う。登場人物がこなれ、物語に馴染んできたようだ。
 今回は妖刀村正を中心に、髪切り、貧乏神などが活躍する。といっても、基本的には合理的な説明が付けられるから、捕物帳としての一線は守っている。しかし、そこに欠点があるようにも思われる。上手く妖異の魅力が伝えられていないのだ。
 すごいスピードで続編が出ている。一ヶ月で一冊のベースだ。どうやって書いているのだろう。
耳袋秘帖シリーズ第3弾 ★★★★☆
 長編をベースに、各話ごとに珍しい事件・事象を絡ませるスタイル。今作では“おたすけ兄弟”と呼ばれる凶賊との対決が描かれている。“おたすけ兄弟”の由来は、互いに“タ”、“スケ”と呼び合うところから。武具関係の商店ばかりを狙い、家人に気付かれると皆殺しにする凶悪犯で義賊ではない。途中から大酉藩のお家騒動も絡まるが、タイトルの「浅草妖刀殺人」というのはメインの事件ではない。
 シリーズ3作目でスタイルに安定感が感じられ、安心して読んでいられる。1、2作目よりも面白かった。長編としての話に比重が置かれているようで、その点が幸いしたようだ。また“おたすけ兄弟”が互いを奇妙な名で呼び合う理由に説得力があった。この点も評価したい。