The Genius of the Electric Guitar
価格: ¥7,500
チャーリー・クリスチャンはモダン・ジャズ・ギターの開祖といわれている。もちろんジャズではクリスチャン以前にもギターは使われていたが、その役割はリズム楽器・コード楽器としてのものだった。それを今日のような形、つまりメロディを奏で、自在なアドリブを展開するソロ楽器として完成させたのがクリスチャンだった。別の言い方をすると、クリスチャンによってギターはホーン楽器と同等の地位を確立するに至ったのである。
さらにクリスチャンにはもうひとつの顔がある。それは『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』によって知られるビバッパーとしての側面。本作は39年から41年にかけてのベニー・グッドマン楽団時代の演奏を集めたものなので、内容的にはスウィング・ジャズだが、クリスチャンのソロに限っていえば、次の時代(ビバップ)の到来を十分予感させるものだ。したがってここに聴かれるのはスウィング・ジャズとビバップが入り交じった過渡期のジャズであり、いかにクリスチャンが時代の先端を走っていたか実感できる。(市川正二)