難関校を受けるがベクトルが苦手な人に
★★★★☆
この本は表紙に書いてあるように、まさに
「教科書と入試とのギャップを埋めたい人」
「トピックスごとに整理し理解を深めたい人」
「ベクトルを使える道具にしたい人」
が使うのに相応しい参考書であると思います。
始めは簡単ですが、ベクトルの他の分野への応用や、外積や平面の方程式など、教科書ではあまり扱わない内容にも触れています。
難関校の入試問題に食い付くための基礎を作るのに適しているでしょう。
センター試験、ないしセンターに毛が生えた程度の問題しか出さない大学の対策に使うのは間違っています。
かといって難問が並んでいるわけではなく、そのトピックを理解するのに相応しい良問だけが選ばれています。
一番この本を使うべきなのは、今まで"なんとなく"問題を解いてきた人だと思います。
「定期テストの点数は悪くないけど、なんだかベクトルってよくわからない」という人は、ベクトルの見方が変わり、入試で使える「武器」にすることができるかもしれません。
買うかどうか迷っている人は、§6の例題2、§12の例題1、§18、§19、§32、§37など(私見なのであくまで参考程度に)を見て、「なるほど」と思ったなら買えばよいでしょう。あとは外積や平面の方程式を勉強したいかどうかですね。
最後に短所を述べておくと、問題があまり多くありません。
極めて苦手な人がやると、練習問題がないのでよく理解できず、かえって混乱するかもしれません。
ただし、これは繰り返すことで克服できる問題点ではあります。
逆に言えば、各問題にそのトピックの要点を詰め込んでいるので、短期間にベクトルの総整理をしたい人には向いています。
この本を終えてベクトルの問題をもっと解きたい人は、月刊大数をやればいいでしょう。
6月号でベクトルの特集をしています。
基礎演習とスタンダード演習はこの本と同じぐらいかそれ以下の難易度なので、それで練習してから日日の演習に取り組めば、ベクトルに関しては相当な実力が付くでしょう。
理解できませんでした...
★★☆☆☆
センター用に買ったつもりでしたがそれが間違いでした。
僕にとってレベル高すぎました。
集中講義って書いてあったから問題を深く解説してるのかなぁと思ったのですが、無駄な(僕にとっては)問題とか証明があり、センター対策の本をまた新しく買うはめになりました。レベル高い人にはちょうどいいのかなぁ〜
ベクトルに関する「新しい教科書」
★★★★★
「教科書NEXT」と銘打っている通り、教科書のベクトルの概念をもう一段詳しく説明している本になっています。
解説は、ベクトルを38のテーマに分けて系統だってされているので、理解しやすい構成となっていると思います。また途中に設けられている「TeaBreak」ページで取り上げられている内容も休憩中にやる以上に内容の濃いものとなっており、ベクトルに関連することが余すところなく扱われている印象です。
このように、教科書では網羅されていないところまで学習するようになっているので、相当な知識が得られるのではないでしょうか?
例題が各テーマ毎の理解を助けるレベルで設定されいるのもテーマを理解しやすくしていると思いますが、実戦に向けての問題としては、量的にも質的にも補っていく必要があると思います。
これを勉強すれば、「大学への数学」をはじめとした各予備校などのお出版しているレベルの高い問題集にもすんなり入っていけると思いますし、ベクトルに関しては相当な実力が付くのではないでしょうか?
東京出版の新傾向
★★★★★
東京出版の書籍と言えば,小中高生対象の算数,数学の難関校対策のイメージですが,この「ベクトルの集中講義」はベクトルの理解に少し苦しむ生徒の目線に合った良書だと思います.最近の東京出版はこのようなタイプの書籍も出版するのだと関心しました.やはり時代を意識してか,読者層を限定せず,幅広くターゲットと思慮する東京出版に敬服します.ただ,中身をよく読んでいると,ハイレベルなことを漏れなく記載されており,お勧めの1冊です.