ヒロインはいません
★★☆☆☆
ロードスが好きで1巻の出来に目を瞑り、この巻まで購入しましたが、
購入打ち切りです・・・
この作品は作者曰わく『全編通してのテーマはヒエンと女の子の出会いと別れ』
だそうです。その言葉通り、一応メインキャラのスズリを除いても
1〜2巻で5人の女の子が登場します。
が、結局はただの脇役のため、キャラクターの掘り下げが浅く
愛着、近親感も非常に薄いです。
また、そのためか短編集を集めただけのような作品になってしまっており、
1巻を通じての盛り上がりというのが薄いです。
また、気になるのがセラの扱いです。
セラは実年齢3X歳で、ヒエンの母親です。(本当に実子なのかはまだ分かりませんが)
で、作中で女性キャラクターの中では一番描画多く
普通に考えればメインヒロインの立場です。
ですが、母親がメインヒロインなんてのはラノベでありえず、
読者に対して売りになりません。
そんなことは編集部は百も承知している故、
登場人物紹介等、作者以外が書いている文章に
一回ですら『母親』の文字が無いのでしょう。
正直、作者の暴走が垣間見えます・・・
親子関係の描画にも疑問が残ります。
親子の関係が全く描かれていない為です。
セラの立場をいわゆるボーイミーツガール的な作品のヒロインと捉えても、
全く違和感がありません。
これは『全編通してのテーマはヒエンと女の子の出会いと別れ』
をやりたいが為の設定なのかもしれませんが
現状ではセラを母親とした意味がまったく無く、
またセラを母親としたことで生まれてくる面白さというものが全くありません。
1巻の後書きで作者はキャラクターとストーリが大切と言っていますが、
使い捨てばかりの女の子キャラ、ちぐはぐさばかりが目立つ母親のセラ。
短編集の集まりのようなつくりで、全体を通しての目的が見えてこない本作品。
正直、多くの読者からの支持は得られないだろうと思います。