少子化対策を考える上での好著です
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「少子化対策」に関する本はいろいろと出ていますが、政策過程に踏み込んで書かれた本は初めてです。この本を読んで、今まで何年にもわたって「少子化対策」の必要性が強調されながら、出生率が下がり続けた理由がわかりました。子育て家庭のニーズに十分対応した政策が展開されなかったのです。なぜかといえば、財政上の理由や官僚的な発想から不十分なものにとどまってきたのです。
著者は、出版社の社員から中央省庁の役人になったユニークな経歴の持ち主で、従来の発想とは異なり、子どもやその家庭に寄り添う視点から政策を立案しています。ヨーロッパの政策の説明もあり、これからの少子化対策を考える上で参考になります。著者が提言する日本での家族政策の発展に期待します。