本作も数々の魅力的なキャラクターが脇を固めています。去就定かでない友軍高級将校クリストファー、魅力的なその妻ケイト、部隊のトラブルメイカーであるウィリアムソンなどなど。そして本作では、久しぶりにアーサー・ウェルズリー(後のウェリントン公)が登場します。こうした多彩な顔ぶれに囲まれながら、シャープと兵隊たちは自らの生き残りをかけて激しい戦いを繰り広げていきます。本作も、読者は相当の緊張を強いられることでしょう。
軍事史的な観点からは、マスケット兵とライフル兵の運用上の相違、榴弾の威力、当時における拠点防御の実態、そして渡河の難しさなどに興味を覚えました。