自分の頭のなかに氾濫する“声”に悩まされ、アルコール依存症に陥っている31歳のルポライター玲(寺島しのぶ)は、コンビニで見かけた長距離トラック運転手の岡部(大森南朋)と関係を持ち、そのまま彼のトラックに乗り込んだ…。
『夢魔』『800』などの俊英監督・廣木隆一が行きずりの男女の恋の行方を描いたロードムービー。ストレスだらけの現代を生きるヒロインの心象が、セリフや字幕、選曲なども巧みに駆使して見事に表現されている。もちろん寺島しのぶの演技の素晴らしさも特筆ものであり、彼女は2003年の主演女優賞もしくは新人賞を総なめ。大森もキネマ旬報助演男優賞受賞の好演であった。廣木監督による、また新たな傑作の誕生。必見。(的田也寸志)
ココロが震えるってことはこういうこと。
★★★★★
ストーリーは、よくある話しかもしれない。
ただ...
寺島しのぶ嬢の、せつない演技がいい!
誰しもが多かれ少なかれ持つ、誰にもいえない心の底にある
忘れていたい部分。
そこから湧き上がる感情、漏れそうになる声。
大森南朋氏の(基本的に愛してるので)それを愛おしく思う心と
どこか客観視してる部分。
人の肌に触れたい。
この瞬間を失いたくない。
でも...
幸福な時間を重ねることで、それを失った瞬間のさびしさ
への不安。
全ての物事にやってくる“先”、“終わり”への理由のない
ましてや確信のない恐怖感。
どれもワタシがずっと、ずっと抱えていた感情と重なった。
幸せって、永遠じゃなく、瞬間瞬間の積み重ねなんだよね。
それでも無いよりは、有った方が、ずっとまし。
そんなキモチになった。
かなり好き
★★★★★
最後の玲の表情が見終わった後も頭から離れない。何を想い、何を感じているのか。また明日からは変わらない毎日が待っていると知っている女の顔。いろんな事を考えてしまう映画でした。本物の女優さんって凄いです。
長靴
★★★★★
金髪にピアス。
荒っぽい感じの服装に長靴
普段の普通で静かなイメージを覆す大森南朋だったけど、
本能 という動きにはしっくりときた
どんなに悪い話しをされてもどこか色気漂う声で許してしまいたくなる
あんなに優しい男はきっと、この作品にだけ存在するんだろう
出会ってみたいと思った
これってカンヌ狙えたんじゃないの?
★★★★★
役者、カメラワーク、音楽すべてがこの映画を秀逸にしています!
短い映画だけどシーンの1つ1つが効果的で、2週間で撮影されたとは思えないほど。
冒頭のコンビにのシーンから展開して行くにつれ玲と岡部の距離感が変わっていく様子、食堂での二人の会話、最後のコンビニのシーンで玲が吹く口笛やレジでの表情に込められた想い等など、「これってブンガクだよね〜。カンヌ狙えたんじゃないの?」って個人的に思います。
見終わったあと1つ困ったことが・・・。運転中に岡部みたいなトラッカーいないかって毎日よそ見ばっかして、危ない。
それと、注文して届いたDVDの中に日活ロマンポルノみたいなエロ系DVDの宣伝がいっぱい入っていた。
「だから、違うだろ〜(怒)」
ホント違います。観るたび、切なくなって泣きますもん。玲ほど孤独じゃないのにね。
上質なふれあい
★★★★★
大森南朋にやられてしまい、彼の出演作品のレビューやらネタバレを散々チェックしていましたが、苦手なタイプの映画だという感じ。でも今は、何で早く見なかったんだろと後悔するくらいの感動。彼女ほどの重い状況でなくても、大人の女 ならみんな理解できる感覚。等身大で生きてるなら彼女のすがたが自分に見えるはずだなぁー。ため息が漏れますよ、あんな出会いが体験出来るなんて。個人的には、最初に彼が彼女のお尻にかる 〜くタッチする描写がキュンとして、お気に入りです。