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イスタンブール―思い出とこの町

価格: ¥3,780
カテゴリ: 単行本
ブランド: 藤原書店
Amazon.co.jpで確認
翻訳が…… ★★☆☆☆
400ページ強の大著ですが、翻訳がこなれていないので非常に読みづらいです。
少し考えれば理解できるものの、すんなりとは頭に入ってこない直訳調なので疲れます。
この本に手を出すような活字中毒者にとっては余計なお世話かもしれませんが。
都市小説のもうひとつの傑作の登場 ★★★★☆
ジョイスのダブリン(「ユリシーズ」)、ジュリアン・グラックのナント(「「ひとつの町のかたち」)、ブロツキーのヴェネツィア、ダレルのアレクサンドリア(「アレクサンドリア四重奏」)などなど、ノーベル賞クラスの連中が故郷や自分の居心地の良い町について繊細にして大胆な都市小説を発表してきたが、本書はNYに3年間住んだ以外はずっと椅子譚ブールに住み続けていたという2006年度ノーベル文学受賞者の新作自伝的ロマン。最高に憂いに満ちた文体は超絶技巧的。翻訳がもう少しうまければ、5点満点だった。俺自身アメリカでNY、SF、LAなどをふくめ3年間転々とし、日本でも転々としながら暮らしてきたから、都市、自分の住処、故郷については言いたいことは山ほどある。本書は住むことと旅することと生きることについて、すばらしい省察を読者にあたえてくれる今年最高の一書。
魅力を添える写真 ★★★★★
ノーベル文学賞を昨年受賞したオルハン・パムクの自伝的エッセー。パムクは1952年にイスタンブールに生まれ、3年間のニューヨーク暮らし以外はずっとイスタンブールに住んでいる。ノーベル文学賞作家が描く、生まれ育った古都の描写も興味深いが、もうひとつの側面として多数の写真が綾折られてる点に私は惹かれてしまう。自身、あるいはその父が撮った写真、絵葉書、その他、郷愁を誘う写真がたくさん掲載されている。特筆すべきは、トルコを代表する写真家、アラ・ギュレルの作品が200点以上あることだ。残念ながら、本の性格上、凸版印刷でサイズも小さい。