「ちょっとの力で卵が倒れるということは、常識的には不安定だが、逆の見方をすれば、ちょっとの力で動くことができる。」
「目的をきめてやるということは、理性的論理的であることのように見える。しかし「新しい発見の可能性」を自ら捨て去ることにもなりかねない。」
「理解とは誤解のことである。誤解以外の理解は事実として存在しない。感覚とは錯覚のことである。錯覚以外の感覚は事実として存在しない。」
「すべての存在は重さである。」
「すべての動きは、重さの変化・流れである。」
etc...。
独特の語り口はおおらかでつきぬけたひとの明晰さがあり、時として感じるなんともいえないおかしみは珍味の味わい(笑)。
個人的には甲骨文字の解釈のあたりはちょっとついてけなかったけど野口氏が子供のように夢中になっているのは伝わってくる。
こういう注目すべき人がいたんだ。是非一度手にとってみて欲しい。
姉妹本「野口体操 おもさに貞く」、野口氏の直弟子・羽鳥操氏の「野口体操 感覚こそ力」「野口体操入門」も合わせて読むとなお良い。