サイマルカム
★★★★☆
マニアックで専門的だが、制作過程の画像が多々あり興味深い。
本書を読むと『アバター』(75頁分)ではフェイシャル・キャプチャー(モーションキャプチャーの表情版)とバーチャル・カメラ(様々な縮尺の背景に対応)が画期的だったことがわかる(3Dカメラ等は周知ということで少ししか触れられていない)。
サイマルカムというリアルタイムの合成システムが両者を統合するものとして位置づけられる。
こうした技術(「現実の演算」が基礎になる)の進歩が一本の映画製作とともに進行するケースは珍しいし、何よりも世界観のようなものが新たにつくられて行く様子が面白い。
翻訳は素っ気ない事務的な訳だが、内容は非常に読み応えがある。