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「ふるさと」の発想―地方の力を活かす (岩波新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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もう一度地域のあり方をじっくり考え直したい ★★★★★
私自身も団塊の世代に属し、長いサラリーマン生活を終え地元に戻り、町内会の役員を務めています。
それだけに、この本が語りかけてくる事は胸に強く響きました。

池田首相の「所得倍増計画」以来の首都圏重視の資源配分が格差を生み出し、更に輪をかけてグローバリゼーションに対応すべく小泉首相が実施した所謂「改革」がその格差を際立ったものにしてしまったと言う、その「格差」が生まれたロジックを見事に明確にしてくれます。
これほど「格差」を明確にしてくれた本はありません。

その上で、地方の再生のために何が必要かを、具体的な例を交えながら丁寧に説明してくれます。
もちろん、その土地、土地による差はありますが、参考になる部分は非常に大きいと思います。

この本を読んで、もう一度地域のあり方をじっくり考え直し、何が出来るかを考えたいと思いました。
古き良き日本の復活 ★★★☆☆
主に地方の現状、小泉構造改革の批判、福井県取り
組みの3本立て。

特に面白いのが福井の取り組みで、一言でいうと「
地域コミュニティの復活」。同じ介護や教育の取り
込みでも大阪などの都市部とは全く違う点が面白い。
結婚相手まで行政が世話するのは地方ならではだが、
都市部も見習える部分は多い。
地方のすばらしさと都会の効率 ★★★★★
地方が活力をなくしている現状において、地方と都会との役割を明確にして、地方の課題と方向性をまとめておられ、地方を大切にするとともに地方としての主張をしていくべき必要性を改めて感じさせていただきました。

私も地方都市から見ればさらに田舎に2年間住まわせて頂き、毎朝出会う人たちから「おはようございます」と声をかけられ、たまに地方都市に帰ると「おられなかったから玄関に野菜を置いといたよ。」と言われ、その暖かさにびっくりいたしました。
地方都市に戻ってからは、知った人とは挨拶をしますが、知らない人に挨拶をすることはまずありません。しかし、こちらから挨拶をするときちんと返してくれます。
さらに都会に参りますと、知らない人に挨拶をすると、挨拶を返されるどころか危害を受ける心配があり、子供たちは知らない人からの挨拶に返事もしません。
人口密度度が高いということは効率的で便利な面が多いのでしょうが、人的ネットワークが消滅し、大切なものを失ってしまう欠点も多いような気がします。

だから地方は今のままで良いのだ、とは決して思いません。知事が書いておられるように、高齢化がどんどん進み、10年後には機能しない地方が続出してくるでしょう。
田舎においては特産物でさえ、その生産に携っているのは高齢者ばかりであり、10年後を考えると心配になります。
まだ人が住んでおり、田畑、山林、地域産業がまがりなりにも回っている今、手を打たなければ、子供の代、孫の代には地方の環境はさらに悪化し、社会として機能しなくなってしまう懸念があります。

一方都会は子供を生み育て、老人が静かに過ごす場所としてはふさわしくありません。
その時期を地方で暮らすのが妥当だとすれば、青年期に都会で活躍することで、都会に発生する税収を地方にきちんと分配し、地方で子供を育て老人を見守る仕組みづくりが、日本全体のために必要不可欠のものであると思います。

道州制については、その仕組みを考えていく過程において結論付けていくべき課題かと思います。道州制ありきでもなく、現在の県を固執するのでもなく、都会と地方のあり方や税収の配分、などを考えていく上で、最適な解を求めていけばよいと思います。
個人的には、地方都市同士がさらに連携して交通問題や産業育成に取り組んでいくべきと思いますし、交通網が発達した今、県単位の行政区画は小さいとは思いますが、まず議論すべきは入れ物の形ではなく、入れるものをどうすべきかから出発すべきと思います。

地方のすばらしさを継承していくためにも、地方の活力を何とかして維持していかなければ、と本を読んで感じさせて頂きました。
本当にすばらしい本です。地方のあり方について考えられる時は、ぜひご一読されることをお勧めします。
いま、「ふるさと」の力を活かすとき ★★★★★
「ふるさと」が国を活性化させる。逆ではない。ところが、地方の疲弊を目指したのではないにしても、「構造改革」なるものが、招いた結果は惨憺たるものだった。切り捨てられて地方は喜ぶはずはない。
 本書は、単なる地方優先を説くのではなく、「ふるさと」という発想を大切にしている。人をつなぎ、地域を連帯の心で結ぶために「新しいふるさと観」を大切にしている。「ふるさと」への思いを形に現し、都市と地方の対立を超えて「新しいふるさと」創建を志しているいるのである。企業に「ふるさと」あり、「ふるさと納税」の考えの浸透、安心して暮らせる地域、自治体の連携、その前向きな姿勢が求められる。
 今こそ「ふるさと」の原点に返り、その活力を未来に向けて発進すべき時である。 
 福井県知事が自ら、実践をもとに、「地方再生」の理念と戦略を語り、地域の「つながり」をどう取り戻すかを明かした一書である。