コーティングの基礎と工学
価格: ¥5,400
粘着剤、剥離剤、インキ(インク)、ハードコート剤、防汚剤、紫外線カット剤、 熱線反射材、抗菌剤、アンチグレア材、アンチリフレクション材、帯電防止剤、 導電性材料、色素増感剤、光触媒、ナノマテリアル、これら、われわれの 身の回りで大活躍している機能剤(材)に共通するのは、対象物にコーティング されて初めてその使用価値が生まれるということです。逆説的な言い方になりま すが、コーティングは、われわれ現代社会にとっては欠くべからざる技術の1つと も言えます。それは、自動車、フラットパネルディスプレイ、家電製品、携帯電話、 電池、ソーラーセル、医療品、包装、物流、建築など、あらゆる分野・製品セグメ ントに組み込まれているコーティング・プロダクツが証明してくれています。 コーティングに興味を抱き、その無限の可能性を追い求めたいと考える若い 人材が続々と業界に飛び込んできています。ところが、こうした意欲にあふれ、 真摯な考えをお持ちの人々にとってさえ、コーティングは大きな壁となって立ちは だかっています。それは、コーティングは、化学、物理、機械工学などの専門的 知見は勿論、それらを咀嚼した上で、現場のオペレートと商品開発の経験に 基づく実践的知見がなければ習得できないとされているからです。 原崎氏はこれまで、コーティングに関する著作を数多く手がけてきました。それ らは、本邦においてコーティングのバイブルと評価され、産業界、大学研究者の 間で活用されています。また、新たにコーティングを専門的に学びたいという方 にも最適な原崎氏の著作も幾つかあります。しかし、なかには出版社がもはや 存在せず、名著を手にすることが不可能な状況が生まれています。こうした状況 は、出版文化の危機のみならず、日本のモノづくりの源泉とされるコーティング技 術そのものの停滞、後退、退化にもつながりかねません。そこで小社では、 原崎氏が槇書店から出版された「コーティングの基礎科学」(1977年)、「新版コー ティング工学」(1978年)を合本し、「コーティングの基礎と工学」として出版す ることを企画しました。編集に際しては、原崎氏に内容を見直していただき、旧版 時の幾つかの誤りを修正するとともに、すべてをアナログからデジタルデータに 移し替える作業を行い、図表もすべて新規に作図・作表し直しました。なお、本 書は、30年以上前の著作の合本であるため、当時の表現をそのまま収録してい ることをあらかじめご理解ください。 2010年9月15日から書籍価格を改定しました