マインドサイト・マトリックス
価格: ¥440
◆内容の一部
食べ物の選択ということになるとチョコレートほど
感情を刺激する製品カテゴリーはないだろう。
わたしたちのクライアントは「ご褒美」として位置づけされる
主力製品で大きな市場を開拓してきた。
しかし、チョコレートに関するこのメッセージは、
「自分にご褒美」
という表現が日常会話にあふれるようになったことで
目新しさを失い、このクライアントは
ライバルと一線を画すような
新しいメッセージを探していた。
私たちは、このクライアントへのブランド・ロイヤルティが高い
消費者の動機づけ分析を実施し、
彼らを強いチョコレート愛に駆り立てている本当の動機づけを
理解しようと考えた。
分析結果は彼らの強いロイヤルティの根底にあるものをハッキリ浮かび上がらせた。
この調査では、チョコレート好きの消費者は
その製品にうっとり魅了される感覚を味わうことが
動機づけになっていることがわかった。
彼らはチョコレートを食べている
短い時間だけでも、「我を忘れる」経験をしたいと思っていた。
そこで私達のクライアントはチョコレートを食べるという経験に
五感を刺激するささやかな要素をいくつか取り入れて
魅力を増すという戦略に打って出た。
消費者はチョコレートが
「舌の上でゆっくり溶けていく感触」
を味わい、五感を刺激され、
チョコレートを食べることで
ちょっとした恍惚感に浸り
感情の高まりを経験する。
想像した通り、チョコレートに夢中になるという経験が
消費者に食べることの楽しみを思い出させて
もう1度味わいたいという次の機会を求める興奮を生み出した。
(本文207ページより抜粋)