う~む・・・・
★★★☆☆
解説書としては悪くはない。しかし、ドビュッシー研究の現場ではここ数年にかなり変化があり、たとえば決定的評伝の登場、作品目録の改訂、作品の発見と刊行などが相次いで起こっている。この本は、それ以前のものなので、その時点では良心的な書ではあったろうが、今みるといささか古い部分もある。解説も担当者によって統一感がない。高校生などが、コンサートでドビュッシーを演奏するときに、たぶんこの本なんぞを用いて解説を書くことを想像すると、情報のアップデートをしてほしいなと無理な注文をつけたくなる。あくまでも知られている作品からのドビュッシー像をイメージするための本。実際のドビュッシーは全然違うはずである。英語圏などでも昨年2003年あたりから意欲的な研究や刊行物が相次いでいる。日本でも一つ気張って欲しい。もちろん本家のフランスはドビュッシーの作品全集刊行に気張って欲しいものである。