装丁が秀逸。
★★★☆☆
相手をおもって吐いた嘘が
また嘘を呼んで
重なってかさなって
それが重くなることもあれば
それで暖かくなることもある。
名著!
★★★★★
素晴らしい読後感の著書です。
やさしい平易な言葉で書かれているため、児童書のように思えてしまいますが、
普遍的な小説です。
内容については、他の方のレビューに任せるとして、
出来るだけ早く手にとって、この喜びを感じてください。
『博士の愛した数式』(小川洋子著)が好きな人なら、お薦めです。
大人は時々愚かなことをする・・・
★★★★☆
毎週水曜日のお昼に30分だけ訪ねてくる祖父、父親の昔話にうんざりした態度を隠せない少女の父親、父親の仕事の関係で一家はパリから遠く離れたリヨンに引っ越すことになるが、おじいちゃんにはそのことを隠して水曜日の昼の30分だけのために帰ってくる。新しい家主にその時間だけ家をあけてもらって・・・。
15歳の少女イザベルの視点から描かれる家族、そして彼女の初恋をからめながら物語は進行する。自分が思春期の頃思った『大人は時々愚かなことをする・・』という思い、家族の中で自分だけ疎外されているような孤独感がよみがえった。結局優しさの嘘はお祖父ちゃんをだましおおせるものではなく、父親も無力な子どもであった。
家族の優しさなんていう簡単なテーマではなく、人生の終末が近付く高齢者、仕事にエネルギーを傾ける中年の息子、思春期の娘それぞれの世代の思いが対比されている。
特に11章のお祖父ちゃんが孫娘のイザベルに語る言葉が重く胸に迫る。
中学生向けに、、と選んだ一冊でしたが各世代の方々に読んで欲しい本。映画を見ているようにそれぞれの場面がイメージできた。携帯小説しか読まないという中高生に読んでほしい一冊。