正直いまいち・・・
★★☆☆☆
オバマのスピーチと彼が好きだとあげた本に着目した一冊。
スピーチの原文を元に有名な英語講師の松本道弘氏がその魅力を解説しているわけだが
英語上の美しい言い回しとか、力強さを強調しているといったことを述べるに留まっていて
正直言ってあまり面白くない。gを冠する言葉とかの説明は興味深い話だが、ここでする必要はあったのか。
オバマの本棚という題名にもかかわらず、オバマが挙げた本については補足的な印象で、
また、本をさらっと流し読みした松本氏の浅い憶測に満ちた書評しか載っていない。
いったいオバマがなぜこの本を読んだのか、そしてその時何を思ったのかということも結局わからない。
企画自体は興味深いのに、うまく活かせなかった感がある。
これだったら単純に学者がスピーチをもっと深く分析して社会心理学的視点から書いた方がよっぽど面白かったと思う。
やはり古典的なものが多め
★★★★☆
本書では、オバマの言葉の魅力を探るため、スピーチから部分的に抜粋し、その英語について解説する内容と、オバマの特にお気に入りだという本を30冊程度が(本人の特集が掲載された雑誌や旧約聖書も含め)紹介されている。
古典的なものはシェークスピア、哲学関連、偉大な指導者の著作が多い。洋書で紹介されているものには翻訳がないものもあるが、物事の概念を捉えようとする姿勢が伺える。またドリス・レッシングやMarilynne Robinsonなどの小説も含まれている。翻訳がある小説は、『白鯨』、『カッコーの巣の上で』、『見えない人間』、『ソロモンの歌』、『誰がために鐘は鳴る』など、やはり名作をおさえている。
オバマの演説のカギを紐解く解説では、その背景に込められたオバマの気持ちや文化的な要素、英単語のアルファベットに共通する一定の意味、カジュアルな会話で使われるget、giveに見られる概念などがあり、既に多く出版されたスピーチ本とは一線を画している。
オススメですよ。
★★★★★
魅力的なスピーチが度々取りだたされる、オバマ。
出てくる言葉のバックグランドをオバマが読んできた本に絞り、その原書にふれることで、そのスピーチに流れる意識をたどろうとした本です。
著者は原書を50冊以上、読んだそうです。
オバマのスピーチをタイプ別にわけ(目次を参照してね)ピックアップ、原書もそれに対応させてチョイスしています。
英語の言い回しから、微妙で絶妙な表現がされていることが解説されています。
僕的には、オバマがハンサムであろうと黒人であろうと清廉潔白であろうとうそつきであろうとどうでもよく、その真意を知りたい。
なので、育ってきた環境ではなく、読んだ本に絞ってくれたのは正解でした。
読者を選ぶ本
★★★☆☆
オバマ英語本と一線を画した本であるのは間違いない。
時流(?)に乗った企画であり、著者の「速書」による
オバマ大統領のバックグラウンドを見ようという大胆な
試みだからである。
問題は、紹介された本を読み、読者なりの考えを構築
するかどうか、である。もし読者側にその意識がなければ
この本の存在価値はない。
少なくとも、聖書とシェークスピアははずしてはならない
だろうし、マルコムXは一番遠いからこそ手にしなければ
ならないと思う。
ただ、ハワード・ベイカーの本(『超党派の精神』)と並んだときは
後者を選んだ。翻訳者解説は別として、mediatorであろうとした著者の
証言が貴重だと思ったからである。