お高い和ー
★★☆☆☆
山口智子の文章は良い。
決まり文句や難解な表現を排し、
日常的な語彙を用いながらもすずやかな情感に満ちている。
優れたものを見抜く感性に秀でているのだろう。
伝統工芸品を取り上げるその選択眼には敬服するのみである。
当然のことながら美人だしね。
ただ、小学館のこの価格設定には疑問を禁じえない。
「いやあ、紙質にも印刷にもこだわりましたから」
ということなのだろうが、
見開きのページにすでに「版ズレ」が見られる。
おいおいである。
第一に、記載されている内容が少なすぎる。
わずか16種の人物、工芸品の紹介にとどまるのだ。
解説に瞠目するような新事実があるわけでもないし、
やつがれなぞ、入浴の15分間で読了してしまいましたとさ。
というわけで、
このきれいな本は、店頭での「立ち読み」がお勧めである。
著者の直筆サイン入りということでもあるのなら、「買い」なんだだけれどね。