現時点での各臨床検査項目について最新のデータでまとめられています．
とくに臨床の現場でパニック値や警戒値が出たときの対処方法が記載されており，実践的な本です．臨床の現場でつねにそのような状況で対応していると分かる項目が多いですが，分担執筆なので，現場を知らないでデータだけで書いているなあという項目もありますが，全体としては実践的です．教科書的ではなく現場の経験が伝わってくる項目がいくつかあり，臨床の現場で困ったときに役立つことでしょう．
診断プロセスがフローチャートになっているのも分かりやすいと思います．
字も大きく二段組みなので読みやすいです．
惜しいのは（といってもそういう本は無いのだが・・・），研究レベルの検査方法や遺伝子検査など特殊な施設に限られるような検査も収録し，提出先などが記載されるようになれば文句なしだったと思います．