禅を中国、日本の専売特許みたいに思っていたわたしです。
韓国の禅僧の説法（あえて、こう表現します）です。
この本、法句経のような毎日の身近な事柄から説かれています。
ゆたかさにつつまれます。
また、何かしら勢いづきます。

今回の課題一つ
「目覚めた人びとの教えは　自己より始めよと言っているが
自己自身で終われとは言っていない。
自己は知るべきであるが自己の虜になってはならない。
自己より始め世の中へ到達せねばならない。
究極の関心は世の中になければならない。」（P330）

ひとつひとつはとても短いのだけれど、本質を突き静かに語りかけています。決して説教臭くなく、古くさくもなく、押しつけがましくもなく、自分らしく生きよ、自分とは何かを考えさせてくれる本です｡禅宗のお坊さんらしくない語りは、社会運動なども経験されている著者ならではなのか？疲れていた自分には、砂漠に水がしみ込むごとく潤いと癒しをもらった気がしました。短いものの集まりなので、どこからでも読めてしまうのもいいと思います。