マーケットと対峙し続ける人の、仕事に対する考え方が含まれている
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ヘッジファンドの基本を知ることができる解説書である。しかし、それに留まらず、大事なことは勝負すること、決めて実行して計画との対比から修正していくというやり方が正しい、といったマーケットと対峙し続ける人の、仕事に対する考え方が含まれている。
2007年の書のため、サブプライムローンによる暴落までの記載で、その後のリーマンショックの大変動は当然含まれていない。しかし、著者の会社は生き残って発展しているようである。それはとりもなおさず、著者の考え方の正しさを証明しているのかもしれない。
そして、なによりも日本のために頑張るという著者の考え方のベースに共感できる。
わかりやすい
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メーカーに勤務していて,著者からインタビューを受けることになり,どのような人なのか知っておくために読んでみました。
自分とはまったく業界違いの話ですが内容は非常に分かりやすかったです。
ヘッジファンドとは何なのか、その疑問に答えてくれる良書
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証券会社やヘッジファンドでの実務経験に基づいて書かれており、素晴らしい内容です。
素晴らしいのが図表。ほとんど筆者のオリジナル。経済書は本来こうでなくっちゃ
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《私の理解ではヘッジファンドとは、狭義の定義になるが、「絶対収益を確保するために、ロングとショート(買いと空売り)を併用し、相場の下落を回避し、要求されるリターンとリスクに応じて、ある程度のレバレッジを利かせるファンド」である》(pp.26-27)など、明瞭に分りやすく、実態がよくわからないまま、モンスター扱いされていたファンドのことを紹介してくれます。その歴史についても概観してくれていますので、より理解が深まります(p.40-)。
さらに《中長期主義者、あるいは中計をつくる人間は、ニュートン力学の信奉者であり、メッシュを細かくして、緻密に分析すれば、中期は予測可能だという立場をとる。しかし実際は、非線形、量子力学の世界であり、予測は不可能である。初期条件を変えれば実態は変る》《杜撰な予想ではダメだが、ある程度予想して売買して、微調整していくのが非線形、量子力学を少しでも齧って得た哲学》(pp.262-263)というあたりは、理系のアナリストっぽくてカッコ良いですね。
ヘッジファンドの正体
★★★★☆
「債券アービトラージ」はレラティブ・バリュー・ストラテジーの代表例だ。割安な複数の
債券(フィックスト・インカム)をロングポジション、割高な複数の債券をショートポジション
で保有し、債券同士のレラティブバリューに注目する運用法である。
というような表現がブンブン出てくる。(これはほんの序の口)
内容は簡潔で正確だが、実際に機関投資家の資金運用に関係した人以外には、わかりづらい。
私としては、第5章の「ヘッジファンド批判に答える」に強い共感を覚え、お薦めなのだが。
しかし、個人投資家で、ヘッジファンドの手法を自分の投資に取り入れてみたい。
と思っている人にとっては、とんだお門違い、いわゆる「八百屋で魚」になってしまう懸念がある。
ヘッジファンドを研究したいという人には良著だろう。