初学者から社会人まで、幅広い対象に推薦できる貴重な文献
★★★★★
J.M.ケインズの『貨幣論』を彷彿させる内容.貨幣,銀行,中央銀行,金融政策,プルーデンス政策,公債,国債管理政策,外国為替,金融危機,国際金融機関.章立ての面白さが特筆される.しかし,決して辞書的に過ぎることはなく,金融研究に対する著者自身の熱意,社会人まで拡げた金融教育の重要性の観点から,熱っぽく書かれている.
「金融とは制度である」とのモットーを軸として,古代から現代までの金融に纏わるエピソードにも事欠かず,読んでいて楽しい.平板な金融論のテキストとは完全に異なり,金融論の初学者はもとより,社会人として金融の仕組みについて,歴史・理論・現状の三層から深く知りたい人に最適な,画期的なテキストである