1995年ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで、『レ・ミゼラブル』の出演者たちが、世界で一番有名なミュージカルの上演開始から10周年を祝って、驚くべき誕生パーティーを開いた。このミュージカルがバトレヴァー・ナンの演出でバービカン・センターでプレミア上演され、続いてウェスト・エンドのパレス・シアターに移って常設公演となってから10年が経ったところで、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュは「ミゼラブル一家」が集まるときが来たと感じたのだ。この栄えある一夜に招かれた指揮者のデイヴィッド・チャールズ・アベルが、雑然としたオーケストラピットから降りると、そこには自分の手足となったロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラと、10周年を祝って世界中からこの大舞台に集まった150人を超えるレ・ミゼラブルの歌い手たちの姿があった。

   この夜の主役は1995年のロンドン・キャストだ。ヴァルジャン役のコルム・ウィルキンソンは「Who Am I?」と「Bring Him Home」を力強く美しく歌いあげ、マイケル・ボールは魅力的なマリユスを演じる。また、ミス・サイゴン役で有名なリア・サロンガは、人気曲「On My Own」で観客の喝采を浴びる。そのサウンドはアルバート・ホール一杯に響きわたり、満員の観客たちもこの華やいだ雰囲気に花を添えた。この公演の出来栄えは、ボービル作詞シェーンベルク作曲のこのすばらしいミュージカルのファンや愛好者にとって、またとない贈り物である。この2枚組セットは、『レ・ミゼラブル』のコレクションになくてはならないセットと言える。（Yngvil V.G., From Amazon.com）