ライカで写真を撮る人へ
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ハードカバーの新装版が出ましたが、この旧版のほうが持ち歩きやすく読みやすいように思います。一般向けにはパート1がおすすめですが、こちらもなかなか味わい深く、ためになる話が満載です。版型、印刷による限界はありますが、掲載写真はいずれもさすがプロの技!クラシックカメラとしてではなくあくまで現役で使えるライカ、そのポテンシャルの高さに改めて気づかされます。ところで、水没してしまったMPはその後どうなったんでしょうね?
ライカで写真を撮るための新たなる「定本」
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全体の切れ味はパート1ほどではないものの、こちらもなかなか味わい深く、ライカで写真を撮りたい人にはためになる話が満載です。版型と印刷による限界はありますが、特に口絵作品はまさにブロの技です。いわゆるライカ調の写真もあり、そうでないのもあり、いずれにしても、クラシックとしてではなく現役で使えるライカのポテンシャルの高さに改めて気づかされますね。私も、こんなふうに撮ってみたい!デジカメに対する姿勢にも共感します。
実体験に裏付けられた説得力
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著者は報道の分野で20数年、第一線の現場に立って写真を撮ってきた人。3万本におよぶ撮影経験をもとに、使う立場で、ライカを使いこなすのに大切なことは何かを教えてくれる。著者のスタンスは、写真を撮ら(撮れ)ないカメラオタクや、「ライカを持つワタシ」に陶酔したい人には面白くないかも知れないが、本気で写真を撮ってみようと思う人にはピッタリの教科書になるだろう。ライカを通じて、写真のさまざまのことを教えてくれる得がたい一冊です。
カメラは写真を撮るために
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長年、報道の第一線で活躍してきた著者の筆致には独特の個性があるが、説得力があり、つい引き込まれてしまう。作例ではなく掲載作品も、実際の現場仕事でのいわば生の報道写真だけに見応えがある。一部、カラー頁で版ずれが見受けられるのが残念ですが、ライカの性能をフルに使いきった味わい深くいい写真が載っている。でも、Tに比べると、どちらかというと玄人向けの感があり、まず一冊、ならTのほうを薦めたい。私は2にも好きな写真があるので買いました。
作例の貧弱さ。
★★☆☆☆
第一巻に続いて読んでみましたが、少々の違和感が感じられ、またかなりの不満が残りました。
「違和感」の原因は、第一巻とややトーンが変わって感じられること。即ち、第一巻では「ライカ(M型)を如何に使い倒すか」「スナップ撮影にライカが如何に適しているか」がほぼ全編に渡って語られたのに対して、この第二巻ではモノ(ライカとそのレンズ)自体への「愛」に軸足が移されているからでしょう。雑誌の連載をまとめた本なので(つまり見た目以上に長い時間の流れがここには詰まっているので)余計に目立つのでしょうが、結局MPを購入してしまうところなども、“君子は豹変す”とは言われますが、やや変わり身が早過ぎるようにも感じられました。
尤も、この本は副題にもあるように「アンチライカマニアのライカ賛歌」なのですから、モノへの愛が語られるのは当然とも言えます。また、よくある「○○は××な描写がスバラシイ」的な、何処かで聞いたような修飾詞のオンパレードに陥らず、飽くまで使用感を交えた感想であるところも「アンチマニア」として一貫した姿勢と言えます。しかしながら大いに不満なのは、作例が実に貧弱なこと。スペックマニアに非ざるレンズへの愛を語るのであれば、それなりの説得力を持つ作例を逐一挙げるべきでしょう。ご自身でも語っておられるように、レンズの味(と、少なくとも撮影者が感じたショット)はサービスサイズのプリントなどでは決して判らないでしょうし、増してページの1/4にも満たない大きさ(小ささ)のモノクロ写真を並べられたところで、そこからナニが感じ取れると言うのでしょう?巻頭の十数ページのカラー作例にしても、紙や印刷品質等のクオリティへの拘りは特に感じられません。素人の想像ですが、本の定価が最初にほぼ決められ、そこから逆算して作例の割り振りを決めただけなのでは?
作例による裏付けがないので、この本を読んで判ることは、筆者がライカを愛用(愛蔵ではない)していて、レンズもアクセサリも沢山お使いなのですね、ということだけです。第一巻はライカを実用に供すことについて主張が一貫していてそれなりに面白かったので、逆にこちらにはガッカリしました。