ゴースト・オブ・マーズ [DVD]
価格: ¥4,104
『ゴースト・オブ・マーズ』は、ジョン・カーペンター監督の最高傑作ではないかもしれない。しかし、長い映画人生を歩むカーペンター監督の、ルーツにこだわった作品だと言える。血しぶき飛ぶ映像、ロックンロールの過激なサウンド、ナターシャ・ヘンストリッジのセックス・アピール…。どこをどう取っても100%カーペンター映画だ。『ゴースト・オブ・マーズ』は、「要塞警察」を彷彿とさせるSFホラー。時は2176年、人類は火星に植民地を築いていた。女性支配の(その理由は明らかにされていない)火星では、中心地クライスに裁判所が置かれている。火星警察のバラード警部補(ヘンストリッジ)は、鉱山の町に収容されている火星一の犯罪者ジェームズ・"デゾレーション"・ウィリアムズ(アイス・キューブ)を護送する任務を負っていた。仲間とともに鉱山の町へ向かったバラードを待っていたものは、先住民族の霊がのり移った人間たち。憑依(ひょうい)されると、人間は好戦的な兵士へと変容する。その姿は、ロック界の異端児マリリン・マンソンや映画『ヘル・レイザー』に登場する魔道士セノバイト軍団のようだ。ストーリーは決してよく練られたものとは言えない。警察と犯罪者が協力し、邪悪な敵と戦うよくある展開。新種の兵器は、最新の特殊効果を使っているとは言えないし、笑ってしまうような会話もある。おそろしい殺りくに巻き込まれる共演者には、パム・グリアー、ジョアンナ・キャシディ、ロバート・キャラダイン、クレア・デュバルなど、そうそうたる顔が並ぶ。シンセ・メタルのカーペンター・サウンドに乗せた無制限ヴァイオレンス。ハイライトはそれほど多くないが、途方もなくカーペンター作品。ファンにはたまらない作品と言えるだろう。(Jeff Shannon, Amazon.com)