歯科衛生士である土屋和子さんが、最新情報に自らの経験や考えを織り交ぜて書かれた歯科衛生士のための本です。これほどの幅広い内容をまとめて書かれている本は他には見あたりません。言わば歯科衛生士のバイブルと言ったところでしょう。若い歯科衛生士から経験を積んだ実力のある歯科衛生士にも臨床のヒントが見つかる内容となっています。また、新人の歯科医師には是非とも読んでいただきたいと思いました。

　筆者の土屋和子さんは、フリーランスとして歯科臨床やセミナー講師として全国で活躍している方です。また、株式会社スマイルケアの代表もされています。おそらく歯科業界ナンバー１のカリスマ歯科衛生士と呼べるのではないでしょうか。
　本書の中でも、その実力のほどが垣間見れます。デブライドメント、パワースケーラーの彼女独自の視点は、さすがとしか言いようがありません。さらに、すぐに臨床現場で活かせるテクニック満載です。
　さらに、こういったテクニックの面だけでなく、歯科衛生士にとって必要なメンタルに関する内容も本書には含まれています。なんといっても、彼女の３２年間というキャリアがすごい！３２年間で培ったテクニックと３２年間歯科衛生士を続けたメンタリティが彼女をナンバー１カリスマ歯科衛生士と呼ばせているのでしょう。
　特に、私が参考になったのは、コミュニケーションに関する記述です。患者さんやドクターに対するコミュニケーションは、彼女の経験から語られる内容であり、とても参考になりました。
　書籍全般を通して感じた事は、歯科衛生士を３２年間も続ける事ができるという事は、周囲の人からの支持を得ている歯科衛生士さんなんだなぁ、と感じました。書籍からも、その人柄が感じられる気がしました。