中南米スペイン語?
★★★☆☆
CDが3枚も付いていて、色々な場面における会話例を提示しているので、とても良いと思います。
ただ気になるのは語彙です。著者はチリで過ごされ、その後スペインで働いていらしたようですが、スペインのスペイン語を学んでいる人やスペイン人は思わず首をひねってしまうような単語ばかり登場してきます。
CDの吹き込み者もスペイン人とペルー人がいらっしゃるのだし、著者もどちらのスペイン語にも精通しているはずだろうから、中南米かスペインのスペイン語の語彙どちらかに統一して、大きな違いがあるものについては注釈にでも入れるなどの配慮をして頂ければよかったのではないかと思います。
盛り沢山だがターゲットが不明
★★★☆☆
副題が「すぐに使える日常表現2900」となっていて、CD3枚がついて本体価格2900円。意図したかどうか分からないが1表現1円という計算になる。内容も、シチュエーションに合わせて、あいさつから日本の文化まで20に分類して日本語とスペイン語の対訳が並んでいる。一言でいうと盛り沢山だ。
ただ、これが本当にお得かというと少し吟味が必要である。本書を読んでいると、対象としている読者は誰なのかが分からない。使う側からすれば、自分がどのようなレベルだったら(あるいはどのような必要があってスペイン語を勉強するのか)、この本を使って役に立つのかが分からない。文章例を見ると、「こんにちは」「おはようございます」「さようなら」といった簡単なあいさつから、「骨盤不整合なので、帝王切開します。」といった文章まで、難度や使われる状況がさまざまなものがあり、読んでいて目が眩む感じだ。
スペイン語の発音がカタカナで書かれていることも、誰のためか分からない。スペイン語のつづりと発音の関係は割合分かりやすい方なので、本当の初心者や旅行での片言会話以外にカタカナの発音表記の必要性はあまりないし、長い文章はカタカナの発音を読んでも理解してもらうことは難しいだろう。本書に出てくるあいさつ以上の文章が分かる人だったらカタカナ表記は煩わしいだけである。
CDではスペイン人とペルー人が吹き込みをしていて、スペイン語発音の地域的な差異についても一定の考慮がされていることは好感がもてる。読み方も自然で、感情が入っているのも良い。
全体に欲張りすぎていて、使いにくいのが難点。一方で、一つの日本語の文に一つのスペイン語の文(訳は概ね適切で自然である)という構成で統一されてしまっているので、柔軟に応用や発展を考えることも難しい。中級者以上だったら、難度の高い文章の吹き込みを集めてリピーティングやシャドーイングに使うといったこともできるだろうが、そういう文章は固まって配置されていないので手間も大変だと思う。良い材料は揃っていて量もたくさん出るが、料理がうまくできていないレストランに行ったような気分になる。
スペイン語を学び始めて5年目くらいに手にするのが良いような高度なつくり
★★★★☆
日常会話でお目にかかるであろうスペイン語の例文を場面別に2900集めた一冊です。
取り上げられている例文はかなり高度で、「ペディキュアは角質除去、マッサージも含まれます」とか、「鶴や亀の描かれた袋に入った千歳飴という紅白の飴を食べます」とか、「ディスクドライバーが外付けだから不便ですね」といった例文が掲載されています。
文法説明は一切ありませんので、まずは別のスペイン語学習書で文法を一通り修めたのちに、ボキャブラリー・ビルディングのために手にするための一冊でしょう。それでも、おそらくスペイン語学習を始めて5年目くらいに手にするべき書といってよいかもしれないほど高度な内容です。
付属のCDは3枚組。スペイン出身の女性とペルー出身の男性が、掲載されている例文を一回ずつ読み上げています。ペルーのスペイン語はスペインのスペイン語に比べるとsの発音が曖昧に感じるかもしれません。
吹き込みスピードはかなり速いといえます。決して手加減のない、ネイティブ並みの速さと考えて良いでしょう。この点でも、初心者がついていくのは無理だと思います。
せめて2色刷にして欲しかった…。
★★★★☆
よく使われるフレーズ(表現)が場面別になっており、
辞書のように、本の端に各場面の見出しが付いているので探し易い。
付属しているCDは、
日本語があり続けてスペイン語…という解りやすい造り。
本に使われている紙質が程良い柔らかさなので、
400ページ強もある本であっても取り扱い易い。
本文は、
日本語があり、その下にスペイン語、
その下に読み方がカタカナで表記されている…という良くあるパターン。
文法的説明も単語についての説明も一切なく、
ただただ良く使われるフレーズのみの一冊である。
しかし・・・
本の中身がすべて白黒なのでメリハリがなく、
ハッキリ言って見辛い。
せめて読みのカタカナだけでも赤文字にして、
区別化すべきだったと思う。
せっかく読みのカタカナを付記しているのにも関わらず、
アクセントの位置を強調していないので、
初心者は”棒読み”しか出来ないと思う。
アクセントの部分を太字にするぐらいの配慮があっても良かったのではないかと思う。
非常に一長一短を感じる一冊で、
高い買い物になるか安い買い物になるかは、
使用者次第…という感じです。
実物を手にしてから購入することをお勧めします。