この本で初めて「じみへん」を知りました。この不条理でシュールな漫画は大好きですが、これを題材に倫理の授業をするという発想が素晴らしいと感動しました。倫理とはいったい何なの？と大半の人が思っている学問もこの漫画と解説を読めば「なんとなく」分かった気がするから不思議なものです。読みやすく面白かったです。

私はじみへんが好きです。

それをいっちゃぁ・・・となることもあるし、そうだよなぁ・・・と唸ることもあるし、？？？・・・ってこともあるけれど、最終コマを読むと毎回シュールな後味を感じるのは少しアウトローだから？

私は倫理も好きです。

高校時代、自分の受験に関係ない「倫理」を受けていました。
センター試験で倫理が必要な人のための授業だったので、もっぱら職員室で先生と話すのが面白かった気がする。ここで考えることについて初めて考えたかもしれない。
我思うゆえに我あり。


ちょっとアウトローだろうと、真性真面目人間だろうと、自分の人生を語ればそれは真実。
常識っていう世間の基準なんて平均的なもので絶対じゃない。
考えることを知らないと、平均とか常識に寄ってないと怖くて仕方がないんだと思う。
外れてても大丈夫だという理由を考えられないから。

じみへんが醸し出す雰囲気は、常識に寄っておかなきゃ不安だという深層心理の現れかもしれない。
でも現実はむしろじみへん寄り。だからリアリティをもってその本質を考えることができる。

そんな教材で教えてくれる先生の授業も、高校時代に受けてみたかったな。