新指導要領対応の全面改訂版
★★★★★
旺文社(2009改訂版)・学研(2008刊)の類書と比較の上、本書を選択しました。
各書、特色はありますが、学研は先行して発売された旺文社(2006刊)に似た構成の参考書だと思います。
本書は類書とやや異なる趣きで、章末問題を設定して、少量ながら問題集の側面も持っています。
では肝心の参考書としては、どの様な内容でしょうか?
数学の知識を網羅するのではなく、中学で新たに学習する概念を容易に理解できる様、解説が行われている印象を受けます。
私は試しに、「素数」と「円周率/パイ」の項目を類書と比較してみました。
「素数」について、『エラトステネスのふるい』を引用し、わかり易い解説が行われていると思いました。
一方、類書にはある「円周率」に関する解説を、本書では見つけることが出来ませんでした。
また、小学校で学習した「整数」についても、解説が無いまま「自然数」の説明に使用されています。
以上のことから、本書は小学校での「算数」学習を前提に作成されている内容だと思います。
私見ですが、『中学数学』の書名通り、小学算数の知識を土台として数学を解説した参考書と判断します。
「さくいん」も項目数は少なめ、小学算数で学習した概念の項目が無いからだと思います。
また、別冊の「解答編」に記述されている「解き方」についても、最小限に抑えてある印象です。
迷いはありましたが、小学算数で学習した内容の確認などは他の方法をとれば済むと考え、本書を購入しました。
現役及び新中学生の皆さん、どうぞ自分と一番相性の好い参考書を選んで下さい。