S.E.N.S.の2年ぶりのオリジナル・アルバム『HOTEL ASIA』は本当にステキな曲ばかりを収めてありますので、多くの方に愛されると思います。
★★★★★
1曲目の「Brave Soul」から圧倒されました。お正月に放送された「里見八犬伝」のメインテーマです。繰り返し奏でられる雄大な音楽が、アジアの大きさを象徴しているのは理解できました。哀愁を帯びた篠笛がフューチャーされており、物悲しい音色が曲の雰囲気にピッタリあっていました。
2曲目の「Little Miracles」は、T&GハウスウェディングのCMソングに使用された曲で、勝木ゆかりさんのピアノが懐かしいメロディを奏でています。穏やかな郷愁を帯びた曲ですので、日本の原風景が目の前に広がった感じがしました。
5曲目の「Willow Bridge」も好きな曲で、NHK時代劇「柳橋慕情」のメインテーマです。「古き時代の日本」というイメージを醸し出すハーモニーとメロディをもっている曲でした。弦とパーカッションとオーボエの組み合わせがとても良い雰囲気を出しています。味わい深い曲ですね。
昨年の暮から公開されている角川映画「疾走(重松清原作)」のメインテーマ「Rain」の冒頭の透明感あるピアノのイントロがまたいいですね。ストリングスの厚みと哀しい響きのピアノとの対比がとても美しいです。
「人とつながりたい」と思い続けた主人公の少年の心中を描いているように感じました。
勝木さんの美しい声が印象的な「Our Pure Ring」聴いていますと、本当に癒されますね。青空に飛び立つ鳥のような伸びやかさと爽やかさを感じました。
ラストの「Coming Home」は、悠久の大河の流れを感じさせる佳曲ですね。東京ガスのCMソングだそうですが、このアルバムのラストを飾るのに相応しいスケールの大きさで、S.E.N.Sの音楽構成力の素晴らしさを感じさせる曲です。とても満たされた気持ちになりました。