整った地方自治テキスト
★★★★☆
現在地方自治に対する関心は高いものの、行政学の中ではやや周辺的な領域ということもありよい概説書が少ない。多くの本は地方公務員の研修用に法律・実務が詳細に解説してあるか、あるいは著者の規範的な主張が強いか、それともはやりのトピックや理論を扱うかといった感じでいずれにしてもバランスが悪い。
そのような状態の中にあってこの本は地方自治についての基礎的な知識を制度を中心として堅実に叙述している。かといって実務家向けの煩瑣な内容でもなく、地方自治について学ぼうとする大学生・社会人が最初に読むには適した内容といえる。
ただし出版が2002年なので、その後の変化を取り入れた改訂が期待される。