インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

山本五十六 (人物叢書)

価格: ¥2,205
カテゴリ: 単行本
ブランド: 吉川弘文館
Amazon.co.jpで確認
定説を覆すには決定力不足? ★★☆☆☆
 山本五十六といえば、正直に言って映画『連合艦隊司
令長官山本五十六』(丸山誠治)の内容程度の認識がな
かったわたしにとって、現在の山本像を「戦績と名声が不
釣合い」(あとがき)と言う本書は、とても刺激的でした。
ただ、中身はどうなのでしょう。ポイントを三つにしぼって
書いてみました。
 まず、ロンドン軍縮会議中に山本が、財政負担を憂う
大蔵省の賀屋興宣を恫喝したという挿話はご愛嬌として
おくとしても、独伊との三国同盟に強硬に反対という定
説への疑問には注目するべきものがありました。これを
海相吉田善吾の粘り強い反対運動とすり替えられたと
する、著者の持論の展開は迫力がありました。また、例
の「(日米開戦しても)半年や一年は暴れてみせます。」
の話しも、どちらかの国民が力尽きるまで進む総力戦の
意義を取り違えていたという評価も当たっていると思いま
す。
 ただし、艦隊決戦の伝統を超えられず(ミッドウェーの大
敗北!)島嶼戦の戦略を立てられなかった、また戦力以
上の戦域設定をした上、陸軍との協調もできなかったと
いう見方は、彼の罪というより海軍全体の体質というべき
ものであり、この辺の分化、整理がもっと進むと説得力が
増したと思うのですが・・・。残念です。