葵の残葉 (文春e-book)
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幕末、運命に引き裂かれた兄弟がいた
新時代を見つめる兄の心を知らぬ、佐幕派の弟たち。
同じ血筋に連なりながら相戦うこととなった「最後の徳川」たちの物語。
この四兄弟がいなければ、幕末の歴史は変わっていただろう――。
子福者と天下に羨まれた徳川傍流・高須家から
尾張、会津、桑名に散った若き兄弟は動乱の中、
維新派と佐幕派に分かれ対立を深めてゆく。
葵の御紋の誇りを胸に、新時代の礎となった
高須四兄弟の運命を描く!
【登場人物】
次男 徳川慶勝
尾張徳川の養子となり御三家ながらいち早く官軍につく。
苦労性の長男坊気質で、植物採集や写真に凝る趣味人。
五男 徳川茂栄
尾張を巡り兄と確執するも一橋家を継いで維新派との交渉を担う。
賢兄と賢弟に挟まれ右往左往、どこか憎めない普通の人。
六男 松平容保
会津藩主を継ぎ、京都守護職として新撰組をも従わせる。
美貌と高潔で知られるも、幕府方最大の犠牲を払う悲運の人。
八男 松平定敬
三歳の姫の婿養子として桑名藩を継ぎ、京都所司代として兄を補佐。
幕末は最後まで転戦を続け海外へも目を向ける奔放な末っ子。