憲法無効論の最高峰、平成の大學者 南出喜久治
★★★★★
南出氏の憲法無効論は最高の完成度を持つ、平成日本に欠くことのできない最も重要な憲法論である。
しかもそれは、通り一遍の「学」ではない。まさしく「日本のアイデンティティ」を見定めることを目指した「國學」の系譜にあり、日本文化・文明の基本骨格を探求した「國體」学の系譜にある。
いまどき、これほど日本の歴史伝統に深く根ざした法学者は、他にはいない。まさしく不世出の大学者である。
個人的には、中川八洋先生の憲法論は保守思想の最良なものだとは思うが、日本的深さと、論理の確かさは、まさしく南出氏の方が上であろう。
真の保守思想を学ぼうと思うならば、南出氏の論考は必読としてお勧めしたい。