『ジャズ批評』ジャズオーディオ・ディスク大賞2015／インストゥルメンタル部門　第9位

Format: CD, 4 panels paper sleeve mini-LP style

窓越しにティレニア海を見下ろす、地中海の小島に静かに佇む＜PEACE HOTEL＞。ゆるやかな時の流れとともに去来するさまざまな心的情景、波の合間を縫って遠くに響く海鳥と子供たちの声。イタリア屈指のアルトサックス奏者＝パオロ・レッキアが、S・ゲッツへの真摯なるオマージュを綴った前作に続き、より発展的なトリオコンセプトで臨む2015年作品。メロディと密接に絡みながらアップデートされたリズムアプローチが、ピアノレス／ドラムレス編成の可能性を押し広げ、より軽快で自由にハーモニーを響かせる。

●5/4に再編し、メロディをより美しく引き立たせた「Central Park West」、また同じ5/4でも異なる情緒を描いた「Emmanina」。
●ハイライトはタイトル・トラックの「Peace Hotel」、感慨深いワルツ「Post-Aurum」、そしてアルバム全体を優しく締めくくる「Every Time We say Goodbye」。
●前作と比べ即興的要素が大きく増し、より自由に自身の声で歌い上げるレッキアのアルト。着実に音楽を前へと押しやるボッレッリのベース。そしてブラッコの、ときにメセニー風のハーモニー、ときに地中海のフォークロアを思わせる効果的なギターワーク。

Lineup: Paolo Recchia (alto sax), Enrico Bracco (guitar), Nicola Borrelli (double bass)

Tracks:
Gone with the Wind (A. Wrubel)
Central Park West (J. Coltrane)
Sman (E. Bracco)
Peace Hotel (P. Recchia)
317 East 32nd Street (L. Tristano
Emmanina (P. Recchia)
I Remember You (V. Schertzinger)
Post-Aurum (N. Borrelli)
Every Time We Say Goodbye (C. Porter)