素晴らしい世界遺産の数々
★★★★☆
書名通り、文化遺産26、自然遺産1、複合遺産1、合計28件を有する「フランス世界遺産」を紹介したものです。
美しい景観や建造物の写真と文章が素晴らしく、眺めているだけでため息が出るようなものばかりが連続して誌面に登場してきます。
一つ一つの世界遺産を列挙するスペースもありませんが、フランスの各地域に分けて紹介しています。パリとイル・ド・フランス、北フランス、フランス北西部、ロワール川とその周辺、フランス中部、フランス南西部、南フランス、フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道、その他の世界遺産という区分ですから、旅をする街の周辺の遺産を知るには好都合です。
ヴェルサイユ宮殿、フォンテーヌブロー宮殿、ノートル・ダム大聖堂、シャルトル大聖堂、聖サン・テミリオン、アヴィニョン、そしてモン・サン・ミシェル。登場する美しい宮殿や聖堂のたたずまいは世界遺産にふさわしいもので、絵葉書のような写真に吸い込まれそうになるほど、魅力的な景観が広がっています。
もちろん、旅行ガイドとしての役割がありますので、地図、アクセス、所在地等も掲載してありますが、日本にいて眺めてプランを構築する際に役立つ本でしょう。
萩原朔太郎の詩の一節「フランスにいきたしとおもへども フランスはあまりにもとおし」ほどではありませんが、今でも気軽に行けるわけではありません。それでもいつか訪れる日を楽しみにしながら、ページを繰っていました。