期待以上です
★★★★★
「世界のおもしろいお祭りを調べて自由研究にしたーい」などとうちの長女がのたまうので、ネットなどでアバウトに調べさせていましたが、遅々として進まぬところ、この本の出版を知り購入してみました。
児童向けの参考図書は、レベルが玉石混淆なのであまり期待はしないようにしていたのですが、無用の心配でしたね。これは良い本です。
ターゲットはおよそ小学校高学年辺りと思います。
カラーページがほとんどで、眺めるだけでも楽しい感じに仕上がっていますが、内容も濃い。
まず、日本で知られている(テレビで取り上げられたり、文学作品に出てきたり、観光情報だったり)有名どころの祭りはほぼ取り上げられていると思います。
それぞれの解説は、簡潔ですが要点を押さえている。
祭りを「季節に関するもの」「個人に関するもの」「宗教に関するもの」など分類した構成にすることで、それぞれの性格を分かりやすくしている。
巻末の2色ページでは、祭りを1月から12月まで時系列で並べ、カラーページで扱っていないものにも言及している。
…など、「祭り」に関する入門書として良心的かつ分かりやすいものになっていると思います。
もちろん、少ないページ数なので、祭りのバックにある宗教や文化的なものについては少ししか触れられていないのですが、それを語り始めたら、どんな厚い本になっても足らないでしょう。
そこを補強しているのは巻末の索引。本文中ではサラリと書かれている言葉でも、その祭りを語るのに大切な言葉であれば索引に載っています。(キリスト教関係なら、「カトリック」「プロテスタント」「東方正教会」など…)
この本は世界の祭りのあくまでサワリしか扱っていませんが、興味を持ったなら、そのような用語を手がかりにより深く調べていけるような仕掛けがしてあるのです。
我が家的には大収穫な本でした。79ページというページ数から期待できる以上の情報量はある、と断言できます。