秘密 上
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母は、なぜあの見知らぬ男を殺したのか? 浮かび上がる母の秘められた過去。『忘れられた花園』の著者が読者を誘う物語の迷宮。
1961年夏、サフォーク。少女だったローレルは偶然、恐ろしい事件を目撃する。突然現われた見知らぬ男の胸に、母がナイフを突き立てたのだ。ローレルはショックで気を失ってしまう。男は死亡し、その正体は当時、近隣に出没していた連続強盗犯と判明。ローレルの証言もあり、母の正当防衛が認められた。ローレルは、あのとき男が近寄りながら「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と母に声をかけたことを警察には話さなかった。男は母を知っていたのだ。そして母も男を知っていた。彼は誰だったのか?2011年、ロンドン。国民的女優となったローレルは、死期の近づいた母の秘密をさぐりはじめる。なぜ、母はあの男を殺してしまったのだろう? 彼と母のあいだに何があったのか? そして、母の本にはさまっていた写真の見知らぬ女性は誰なのか? その本に残された署名・ヴィヴィアンとは誰の名なのか?