こんなに自分に正直に女のコのかわいいとこもヤラしさも、小賢しいとこも出して、それでも「なんか羨ましい」と思わせる女性アーティストっていただろうか。オドロキの岡村ちゃん=岡村靖幸との共作シングル「スキャンティブルース」でデビューしてから、自作の「光露」、聖域(?)だったフリッパーズの「GROOVE TUBE」のカヴァーなどを経ての、1stアルバム(それらも収録)。ダルくて甘い声なのに、描かれてる世界が案外、ドライでシビアでアシッドフォーク的な今ドキな手作りサウンドなどが、嫉妬交じりの女の子ファンをさらに増やしそう。タイトルが示すように、部屋で一人遊びできちゃう女の子の強さとちょっとだけの寂しさがのぞくのもいい。(石角友香)
「女の子」という生き物に関するアンソロジー。
★★★★★
MEGが、megだった時代のファーストアルバムです。
……とは思えない完成度の高さ。まとまりのよさ。そしてシングル&カバー曲の多さ。
9曲中、3曲がカバー曲であり、4曲(メジャーデビュー後)+1曲(インディーズ時代のリミックス)がシングル曲です。
けど、全くとっちらかっていなくて、とてもまとまりがよいです。1曲リピートやランダム再生ではなく、全曲リピートしたくなるアルバムです。
それは、シングル曲のうち2曲はリミックスバージョンが収録されていることや、楽曲の質の高さはもちろん、
meg独特の、甘くて気だるい声&歌で、アルバム全体が貫かれているからだと思います。
そして、カバー曲を除く全曲の、megによる歌詞がよいです。とても。
いわゆる「女子ウケ」するような、恋愛に関する明るく前向きな気持ちや、悲しい切ないありがとうという失恋ソングはありません。
むしろ、「人には言えないちょっとひねくれた感情」を、歌っています。
これを歌詞にして歌ってしまっているところに、このアルバムの一番の魅力があるんだと、私は思います。
だからこそ、このアルバムはすごく、「女の子」。
良くも悪くも「『女の子』ってそうだよな」と思いながら、聴いてしまいます。
懐かしい!
★★★☆☆
懐かしのフリッパーズギター groove tube をカバーしてるが、原曲より良いね
原曲のフリッパーズギターは渋谷系の走りでDMC(デトロイトメタルシティ)の影響で再び人気みたいだけど、こんな感じでカバーしてくれたら、今でも全然OKな曲だなと改めて実感
廃盤はもったいない
★★★★★
まだ小文字だった頃の,megの1stアルバムです。
モデル出身というキャリアに加え,岡村靖幸プロデュースのデビュー,さらに当時は限りなくタブーに近かったフリッパーズのカヴァーまで敢行してしまい,いろんな意味で挑戦的なアルバムですが,内容は捨て曲なしの素晴らしいものになっています。
とにかく楽曲の出来が良く,アレンジもmegの甘いヴォイスと調和がとれています。歌い方も丁寧で,作り手のこだわりを感じました。
全体的に静かで落ち着いた印象で,現在の路線とは一線を画しています。どちらがよいかは完全に好みの問題ですが,このアルバムの方向性にも捨てがたい魅力がありました。廃盤にするには本当に惜しいアルバムです。
表現者として最高
★★★★★
megさんはモデルとして歌手として、表現者としてものすごくセンスのある方だと思います。
かわいい、とか、歌がうまい、とかで言い表すのが無意味に思える。
ただちょっとかわいくて歌を歌えるって人はたくさんいます。
でもmegさんは違う。音楽を自分で作って表現している、これは確かにmegさんの作ったもの、です!
megさんの世界を存分にあらわしてるアルバムです。
フリッパーズの「GROOVE TUBE」のカバーにはほんとやられました。
岡村さんのカバー「イケナイコトカイ?」には驚きました。
サビ以外のところがなんとなく椎名林檎っぽい感じもした??
「傘としずく」「かなわないこと」も好きです。
切ない感じで心にしみいります。
失恋したときに聴こうかな・・・
天は二物を与えた
★★★★★
モデルとしての彼女の活動は、全然知らないし、興味もないんだけど、歌い手としての魅力は、想像以上。
岡村靖幸の「イケナイコトカイ」も、フリッパーズ・ギターの「GROOVETUBE」もカバーしてきた彼女だけど、それら名曲に負けていない。
「Megが歌っているからには、Megの曲だ!」って主張が、声からひしひしと伝わってくる。
甘ったるいんだけど、力がある声なのだ。
アルバムを通して聴くと、小さな部屋の中で暮らしている女の子の日常、そしてその喜びや哀しみを、上からのぞいているような気になります。(変な意味じゃなくて)