伝統文化の上にグローバルな視野を
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茶道裏千家淡交会理事長。多くの人と対談している中で印象に残る場面を抜き出してみよう。相手の考えをうまく引き出している。
1、瀬戸内寂聴との対談「源氏物語の魅力」から…(瀬戸内)恋は恋した瞬間に、愛した瞬間、苦悩が始まるのだということを知ってほしいのです(千)今の時代は、そういう苦悩にみんな弱いですね(瀬戸内)それですぐ病気になる。ノイローゼになって自殺する。本当に今の若い人は弱いです(千)もっと強くなって乗り越えていかないとだめですね。
2、黛まどかとの対談「日本文化で心を揉みほぐす」から…(千)俳句でもお茶でもなんでもいいのですが、日本の伝統文化を通して韓国の方が、もっと日本の中に入ってもらえると思うのです。日韓交流にしても、音楽なんかは最近盛んになっているようですね(黛)それでも、もう一歩踏み込んでほしいです。日本の文化はアニメと音楽だけじゃありませんよね(千)日本の伝統文化には、外国の人の心も揉みほぐす力があると思いますね。
3、緒方貞子との対談「社会のために手を貸そう」から…(千)口先だけで平和を唱えていても実現できません(緒方)相互依存、グローバル化が進み、日本の国内にいれば平和が保てるという時代ではない。もっと積極的に関わることが必要です。
著者は伝統文化の上に、グローバルな世界的視野のある人(雅)