善人マンガ
★★★★☆
破天荒な漫画を描いてきた西原理恵子だが、この人の素の部分が垣間見られる善人マンガ。
各回1ページで起承転結を完ぺきに描き切る手腕はさすが。
西原作品の根底に流れる「どうしようもなくバカで悪人だけど、憎みきれない」という人間愛がわかりやすく感じられる作品。
母親になって西原理恵子さんもちょっと変わったのかな?
西原理恵子は本当にうまい
★★★★★
毎日新聞連載のまんが「毎日かあさん」の単行本第二弾。
それにしてもうまい。西原理恵子は本当にうまい。
表紙の絵から見て取れるように、その作画はおせじにもうまいとはいえません。目玉なんか黒点ですし、西原かあさんは真っ赤になって怒っているか、酒に飲んだくれているかで、荒っぽい画風この上ありません。
しかしそれでも西原理恵子は本当にうまい。
7歳の息子がとんでもないバカっぷりを発揮して毎日かあさんは振り回され、3歳の娘はすでに「女」として嘘泣きや大人の泣き所を巧みにつくすべに長けています。そんなひとつひとつのエピソードをわずかなページできっちりまとめて見せて、おなかの皮がよじれるほど大笑いさせてくれます。
そんなところが西原理恵子は本当にうまい。
そうした幼子二人に振り回される毎日であるにもかかわらず西原かあさんは、「人生は女のほうが絶対たのしい」と断言してみせます。しかも「こんな苦労が男にできるかバカヤロウ」と啖呵を切りながら。
自分をふりまわす子供たちに怒り心頭に発しているはずなのに、その彼女の胸の内にこの上ない母の愛が確かにあることを伺わせるのです。
こんなところも西原理恵子は本当にうまい。
そして、本書の終盤で西原かあさんは取材で出会った多くのアジアの子供たちの思い出をあまりにも唐突な形で綴って見せます。著しい貧しさの中で、その痛ましいまでの人生を、懸命に、あるいは静かに受け入れながら、たくましく生きる物乞いや物売りの幼い子供たち。それまでのブラックな笑いに満ちた物語群から激しく転調したこの突然の挿話に、言葉を失います。
こうした落差の大きな構成を立て、読者の胸ぐらをつかんで激しく揺さぶる西原理恵子は本当にうまい。
さらなる続編「毎日かあさん3 背脂編」もぜひ読みたいと思わせる一冊です。
かあさん、元気に働いてます。
★★★★☆
”毎日かあさん カニ母編”と比べると、兄妹の成長と個体の違いを
軸に話が進んでいきます。 珍しく西原母さんの影が薄くなるほどに。
カモちゃんとの関係はカニ母編の後半でお別れになったので、作中では
たまにお外で親子で会う間柄に変わりましたが、痛みを内包するいつくしみが作品ににじみます。
息子ネタの方が、行動としてはスケールがでかいので本編では一見目立ちますが、
いやあ、女の子って、小さい時から嘘泣きの策略家になるもんですなぁ。そちらに感心することしきり。
漫画家と母親の絶妙のバランス。
★★★★★
西原さんの子育てを描いていて、二人の兄妹の成長する姿が微笑ましいです。お兄ちゃんが小学校に入学します。普段、大事にされている妹が、お兄ちゃんばかりにプレゼントが贈られるのでむくれる様子が愛らしく、母親の視線を感じます。漫画家の視点と母親の視点が絶妙に混ざり合っていて、笑い転げるほど面白いのですが、とても暖かい笑いになっているように思います。これからも楽しみにしています。
親子
★★★★★
近年 家庭内暴力だとか幼児虐待だとか
親子・家庭の話と言えば血生臭いニュースばかりだが
血の繋がりってそういうもんじゃないんだよな
生まれ変わっても かあちゃんがいいや
って言葉にその意味が込められてると思う
世の親御さん方みなさんに読んでもらいたい一冊