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チェチェン (文庫クセジュ)

価格: ¥999
カテゴリ: 新書
ブランド: 白水社
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チェチェンについて ★★★☆☆
チェチェン問題の背景を知るための一冊。

現在ロシアで起きているチェチェン問題の分析よりも、
チェチェン地域一体の歴史的背景、社会制度、地政学的考察、
石油経済などにスポットライトを当てている。

しかし、チェチェン人がロシアに対して抵抗するようになった
根本の理由が述べられていないため、
そもそもこの紛争が始まった経緯がよくわからない。

そして、読者にロシア史の知識があることを前提としているのか、
ロシアの動向との関連を検討している箇所は、説明不足で理解に苦しんだ。

専門用語と思われる語にも説明や註がないものが多く不便な一方、
背景描写が浅い面がある。
対立各派構成とロシア中央政界での政争の具という要素 ★★★★☆
本書は1998年発行。
戦間期に出版。
第一次チェチェン戦争が生起したさまざまな政治的、経済的背景、
分析がなされており、それがまた第二次チェチェン戦争を生起する
諸条件を構成しているという意味において、貴重な文献だと思う。

多民族国家ソ連では、各民族が相互に交流。
チェチェンに数十万人の他民族も在住。
チェチェン自治共和国の運命を決定する権利は
チェチェン人のみが持っていた訳ではなかった。

チェチェンの石油は、1971年以降激減。
石油精製拠点:石油パイプライン、鉄道、道路のターミナル。
アブハジア紛争の為、その重要度が増大。

ロシア中央政界での権力闘争が、チェチェン情勢にも
大いに影響を及ぼしていたことも本書で学んだ。

1991年:ゴルバチョフVSエリツィン
エリツィンの意向で、ゴルバチョフ派のザブガエフを更迭し、
ドゥダエフ政権を成立させた。
しかし、ドゥダエフの独断により実施された大統領選挙は、
360か所の投票所の内、70か所でしか行われない非民主的なもので、
ロシア最高会議は違法と宣告。

ドゥダエフは石油立国を夢見るが挫折

1992年:ドゥダエフ政権内部対立
石油収入を巡る内部対立。武力衝突後、ドゥダエフの強権的政治支配強化

1993年:エリツィンVSハズブラトフ
議長ハズブラトフはチェチェン人なので、「チェチェン人はマフィアで、
犯罪者だ」という反チェチェン・キャンペーン
エリツィンにとって、チェチェン問題は政治的カードの一つ。

1994年:チェチェン内戦開始

1996年:ロシア大統領選挙
エリツィン派とハズブラトフ・レベジ派との勢力均衡
これが第一次チェチェン戦争を終わらせた

ロシア軍が侵攻して来ると、それまでの対立は一時棚上げし、
ほぼ全チェチェン民族が結束して戦う。
ということは、第一次チェチェン戦争後、内部分裂が再燃することを意味した。